成績を上げる子供を作るには?/幼児期にゲームをさせろ!
成績が上がる子供とは? 知恵がある子供です
「考える力」とは無から有を生み出す力ではありません。対象の特徴や問題点を見抜いて、自分の経験値から何かを選択して対処できる力です。「創造力」ではなく「知恵」です。これは、学校の学習でも、会社の仕事でも必要な力です。「創造力」など必要な仕事など、一流大学の大学院の修士を出た研究開発職などのレベルには必要ありません。一握りの天才だけに必要で、天才だけが身に付いているものです。
ところが、この知恵というものは、他人が教えるのは無理な代物です。対象の特徴や問題点という知識は教えられても、「じゃあ、今度はどこを見抜くのか?」という知恵は教えられないからです。
料理でも、知恵のあるなしが勝負
料理でも、料理方法という知識はレシピで教えられても、火の加減や焼き具合を調節し、味見をして調味料の具合を確かめる経験と知恵がないことには上手くならないのと同じです。
皆さんお分かりのように、料理の苦手な人に「強火で10分」という知識は教えられても、「でも室温や調理器具も違うから、自分で様子を見て調節してね!」という知恵は教えられないんです。だって、煮込み具合観察して「こうなっているんだ」って何度注意しても考えないじゃないですか。勉強でも解答冊子を見て「こうなっているんだ」と考えずに、〇×つけて「できました~」って言っている生徒は何の知恵も身に付かないんです。何度注意しても、間違いから「なんでやろ」と考えないんですよ、そういう子供は。料理が下手な主婦と同じです。
けれど、普段は料理をそんなにしていなくても、勘所良く料理の上手い人はいます。人の様子を見て「ハハァ~ン」と言える人です。勉強でもこういう子供がいます。それほど必死に勉強しなくても、ポイントを掴むことができて70~80点を取って来る子供です。こういう子供に出会うと、塾は「ラッキー」です。ほんの少し「こういうこともあるでしょ!」って塾で教えていくと、自分で勝手に成績を上げてくれます。中には「努力で成果が上がる」快感を知って、途方もなく上げてくれることがあります。もう「生徒様は神様です」と言いたくなります。
そういう子供に育てるには? ゲームを幼児期に買い与える
正直、何度言い聞かせても解答を見て〇×つけて終了の子供と、解答を見て「ハハ~ン」と言える子供がどう違うのか、私にも分かりません。失礼な言い方ですが「持って生まれた」としか言いようがないんです。親御さんは「ウチの子供も勉強のやり方さえ教えてもらえれば・・」なんて塾に連れてきますけど、そんな子供はいくら教えても身に付きません。入試などで痛い目に合っても、その時は「キチンとします。」などと泣きわめきますが、高校に入って数カ月も経てば元の木阿弥です。勉強と同じで反省する知恵もないんです。
でも、多くの生徒を見てきて、特に男の子では、知恵がある生徒に共通の趣味があることが分かります。それは「ゲーム好き」なことです。このことは以前にも書きました。ゲームは目の前の状況に対処するだけではうまくなりません。「このゲームはこういうゲームだから、こういう局面ではこういうパターンになっているはずだから、こうすればいい。」と読めなければ上手くならないんです。これは、上に書いた「対象の特徴や問題点を見抜いて、自分の経験値から何を選択して対処できる学習能力」と全く同じです。だから、ゲーム好きは学習、特にこういう力が必要な数学、の成績が良いことが多いです。
私は甥っ子が幼稚園に入る時に買って上げた玩具は、ニンテンドーです。その甥っ子は公立大学の医学部に進んでいます。しょうもない教育玩具を買い与えるぐらいなら、ゲーム一択です。
ゲームもせずにクラブに夢中の子供は諦める
私は入学時に、「お子さんは、クラブが好きですか?ゲームはどうですか?」と聞きます。「ゲームなんかしません!クラブは一生懸命です♡。うちの子真面目なんですぅ~。」なんてお母さんから誇らしげに言われると「こらアカンわ・・」と暗澹たる気持ちになります。
今のゲームが身の回りに溢れている時代にゲームもしないというのは、ゲームをするだけの能力がないからです。いくらゲームをしても経験を知恵に変えて攻略できないから面白くないんです。だから、友達との共有体験だけで満足を得るクラブ活動なんかに夢中になるんです。表面上の「うれしい・楽しい」の共有だけで、頭を働かせる要素なんか必要なく安易に満足感を得られるからです。
だから、「練習はどういうことに着目してやってるの?」「試合では、相手の特徴なんかから、どう考えて対戦するの?」とこういう生徒に聞いても「そんなこと考えたことありません。」という頭の中スッカラカンな答えを返してくる生徒が90%です。こんな有様で「勉強だけ知恵を身につけろ。」なんてムリゲーを塾に言われるようなものなんです。