兵庫県に潰された芦屋・西宮の子供たち/現在も違った形で進行形です

学区制の見直しで潰された子供たち/親も悪いっすけどね

公立高校は兵庫県の管轄です。学区割りなども、文科省の指導などがあるにせよ、兵庫県が決定を下します。

今から20年ほど前、私が塾を始めた当時、芦屋や阪神間の市は神戸の1学区から外され、ほぼその市内の高校に通うしかありませんでした。ゆとり教育が叫ばれていた時期です。競争は悪だったんです。「世界に一つだけの花」だったんですよ。

芦屋には、当時芦屋高校、芦屋南高校=現国際高等学校、そして芦屋市立高校(廃校)しかなく、真ん中ぐらいの成績以上の生徒は芦屋高校に進まざるを得なかった。そのまだ前に、芦屋が神戸と学区が一緒だった頃には芦屋高校は進学校でしたが、真ん中ぐらいの生徒が多く進むことによって今のレベルの高校に落ちてしまいました。

芦屋高校では授業レベルも落とさざるを得ず、下のレベルの子供に足を引っ張られてクラブ中心の学校生活になり、神戸高校や御影高校に進んでいたなら進めた大学にも進めなくなった子供が大量に出ました。上位の成績の生徒が通える公立高校は芦屋にはなくなったのです。

この当時3種類の親がいました。まず、自分たちの時代の芦屋高校のイメージ=進学校を持って、「芦屋高校でいいじゃない!」と言う親です。二番目が、何も考えておらず、学校の進路指導そのままで芦屋高校に進ませた親。この二つは、間違った情報から、本来なら進めた大学にも子供を進めさせられなかった愚かな親ということになります。

その結果、阿鼻叫喚の調査書になる

これは「今までで最悪の進路指導/依怙贔屓が跋扈した通知簿」に書いたことです。成績が真ん中くらい以上の子供は、調査書が関係ある公立高校なら、全員芦屋高校に進むことになります。簡単に言うと、3と4でもオール5でも芦屋高校です。ということは、教師は好き勝手に通知簿や調査書をつけても、子供の進学に差はなく、親からの風当たりも少ないと言うことになります。

ということで、先生に意見を言う子供など平均85点ぐらい取ってきて本来なら通知簿が5と4で埋まっているはずが、3中心と言うメチャクチャな通知簿が付けられていました。一方、同じ学校の同級生が平均70点ほどで4と5で埋まっていたのです。これは、私の塾であった実話です。

この教育行政の悲劇

ただ、こんな状況でも私立高校に進ませる経済的余裕のない家庭では、芦屋高校に進まさざるをえません。芦屋高校では出来の悪い生徒に足を引っ張られ、クラブなどに取り込まれて、本来なら御影高校に行って進めた関学や関大にも進めなくなります。

この「ゆとり教育=競争反対」の教育行政の結果、本来進めた大学、本来勤められた企業に進めなかった子供が芦屋では大量発生したと推測されます。悲しいのは、親がそのことに気が付いても、経済的な問題でどうしてやることも出来なかった場合があることです。

一方で、そのことに気づいた親で経済的余裕がある場合は、私立の高校に進ませれば問題なかったわけです。金の力で子供を守ることも出来たわけです。 これが3つ目の選択です。 ところがここでも悲劇が発生します。

学校のことをよく調べず、学校の宣伝と進学実績に乗って、中高一貫校の定員補充の募集に子供を入れた場合です。こういう高校は、合格発表後入学までの期間なんのフォローもなく、高校1年生で2年生の範囲を学習しているクラスに、中学の勉強しかして来なかった子供を放り込むわけです。

もちろん、高校1年生の4月で落ちこぼれます。そして、そういう子供に補習をするなど、何も対策もしないんです。何らかの原因で欠けた定員を埋めて授業料を数百万円取れればいいとしか考えていないんですよ。もちろん、落ちこぼれた子供は全く高校の学習についていけずに、芦屋高校でクラブを楽しんでいたら進めた大学さえ進めなくなります。「中高一貫校に高校から入るとどうなるか/金儲け主義の結果」の通りです。

上に書いた調査書の生徒も、低い通知簿をつけられて芦屋高校に進むのに納得できずに、こういう中高一貫校に進んで酷い目にあいました。

いずれにせよ、行政の勝手と親の思慮不足が子供の悲劇を生んだわけです。だって、この年代、大学卒業時は就職氷河期ですよ。この行政の勝手で人生を誤った子供は数多くいます。だれも責任を取りません。

今再び繰り返される悲劇

教育業界の洗脳もあるとは思うのですが、こうした兵庫県の信頼できない教育行政が芦屋や西宮の経済的に裕福な地域では大量の中学受験を生んでいる側面もあると思うんです。だって、こういう仕打ちを受けた世代が親になってるんですから。だから、この地域では半数の子供が中学受験をします。この結果、公立校の学力は物凄く劣化しています。「公立中学の下半分の落ちこぼれ感がハンパない/落ちこぼれた生徒の見分け方」などに書いた通りです。

中学受験で優秀な生徒が抜ける人数が増えているので、この状況は年々加速しています。中学・高校の劣化以上に、小学校教育も劣化が進んでいます。優秀な生徒のほとんどが中学受験塾中心の勉強を始め、高学年では小学校は息抜きの場であり、塾の学習に邪魔な宿題などご法度なわけです。

小学校でいい加減な授業をされて、中学受験しない子供では、計算ができない、漢字をおぼえられない子供が大量発生しています。公立中学の半数の生徒が、テスト前に真面目に学習しても、教科書の太字の重要事項さえ覚えられなくなっています。「中学受験をした生徒としていない生徒の差/埋められないほど大きい」。

私が塾を始めた頃、今よりはまだ中学受験が盛んでなかった頃に比べて公立中学の生徒の下半分の生徒の学力は決定的に劣化している。塾でも教えきれなくなっている。だって、中学で漢字をおぼえろと言って、教科書をボ~っと眺めているだけの生徒をどう教えます? 書いておぼえろと言うと「そんな面倒なことできるか!」という調子で、徹底的に受け流されます。それで、テストで漢字を全滅してきて、「何教えてるんですか!」って親に言われるんですよ・・・そんなのの相手してられます?

ある程度学力がある生徒の中学受験がデフォルトとなった小学校は、発表会やお絵かきなどの授業ばかりして、保育園化してるんです。まだ大人に従順な小学校で「頑張っておぼえる!」「キチンと計算する!」って叩きこまずに、反抗期に入った子供を公立中学でどうにかしようとしても手遅れです。多くの優秀な子供が中学校で抜けた公立高校では上位校でもレベルは親世代より劣化している。教育の公平が担保されていない公教育を悲劇と言わずに何といえるのでしょう。

親が教師の場合、この現実を一番よく知っている

ということで、この現実を一番よく知っている教師が親の場合、子供はもちろん中学受験させることが多いです。自分が勤めている公立に行かせないんですよ。昨年度私の塾に通っていた小学校の先生の子供も、兄妹全員中学受験して私立に通っていました。

昔は教師の親でも、子供は普通に公立に通わせていたんですけれどもね・・・それほど現状は酷いと言うことです。

でも私立が万能と言う訳でもない

ということで、中学受験用の私立がやたらめったらできて、優秀な生徒も分散し、進学校でも昔ほどの進学実績は期待できません。六甲レベルの中学に進んだら、悪くても神戸大などあり得ないんです。神戸大に行ければ上出来になっています。昔は、このクラスから神戸大など、医学部以外は来なかったんですけどね・・・。

まあ、私立の教え方も悪いですよ。その数少ない上位の生徒の進学実績だけを目当てに、真ん中以下は落ちこぼれるのに目を瞑って難しい授業をしますから。「進学校に進んで、4年半も高校の学習をして、なぜ多くの生徒は関西学院大学にも合格できないのか?」ということです。

だって進学校なんですから、真ん中の生徒が進む関大や関学の進学実績上げても宣伝にならないんですよ。中学受験でそんな付属校を蹴って、生徒たちは集まってるんですから。だから「国立大学に進むには?/進学校で浪人が多い理由」ということになる。

諸悪の根源の小学校など潰せばいい

中学受験用の塾に通っていない公立の下半分のあまりの体たらくを見ていると、諸悪の根源となっている小学校なんか通わせる意味がない。行政などどうせ学校などまともに運営できないのだから、小学校にかかる経費を塾代の助成にして、全員塾に通わせればいい。小学校なんか潰せばいいと思うんです。

あるいは、塾と同じで、親に小学校の選択権を与えて、くだらない運営をしている学校は教員もろともリストラすればいい。そうすれば、もう少しマシにやるでしょう。私なら中学受験しないでも小学校でキチンと学習したい子供たちのクラスを編成して、昔のように厳格に教えますよ。4年生でクラス分けすればいい。その代わり、そのクラスに入れる子供の親には、「怒鳴りつけられても、廊下で立たされても、文句を言わない。学校にお任せします。」という念書を取ればいいんです。

少なくとも、四則計算や漢字暗記などできない中学生に通知簿の3をつける状況を生んでいる小学校など、全部潰せばいいと思うんですよ。

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芦屋で500人以上、個別指導20年のベテラン講師が、毎日・全教科、中学生と高校生を指導します。御影高校・神戸高校、関西学院・同志社・神戸大学・大阪大学を目指す特進個別塾です。