塾経営の分かれ道/入塾生の選抜について

コロナ騒動で学ぶ塾経営

私はスポーツクラブに通っていたのですが、最近はいかなくなりました。退会しようか考えています。

というのも、スポーツクラブのコロナへの対策が非常に甘いからです。保健所などからお達しがあったように、消毒やマスク着用は告知されているのですが、利用者への徹底がいい加減なんです。

例えば、マスクはしていても数人のグループで大声で喋りまくっている女性のグループが数個集まり、10人以上の女性が大声で喚き散らしているのはコロナ以前と同じです。体裁は整えていても、実質が伴っていない。

これは、私のような「少しでもリスクを抑えるために、もう少しマナーを守らせたらどうなんだ。」と思う客より、好き勝手したい客の方が多いから、そちらをそのスポーツクラブが選択したという経営上の判断か、あるいは現場のスタッフの管理が全くできていないかのどちらかです。

ところがこういう女性客って、移り気で、何かの拍子にサッと他の店に移るんです。私など10年以上通っていますから。有名な話ですが、美容院など女性は店をよく変えますが、男はほとんど理髪店を変えません。これは、スポーツクラブのメンバーを見ていても同じです。

もし、店がそういう女性客を安易に取ったのなら、正しい選択なのかは疑問です。

目先の利益を優先すると上客を失う

こういう選択を間違えて倒産した例もあります。2号線沿いのとあるレストランと言うか、洋食屋に昼食によく行っていたのでが、ある時から近くの幼稚園のお迎えのお母さん方が子供連れで居座りだしたんです。子供はテーブルの間を走り回り、お母さん方は大声でおしゃべりをして、少なくとも少し奮発して洋食を食べようという気分を削ぐには十分なことになったわけです。

ところが、その洋食屋には、割と大人数で来るお母さん方は上客です。何の注意もしません。そのうち、その他の客は減っていきました。昼食時に気分を害した客は、もちろん夜も来てくれないでしょう。

このお母さん方は、子供が幼稚園を卒園するともう来ません。上手く後輩にバトンタッチしてくれるのかもわかりません。そのレストランは目先の利益を選んだ結果、その他多くのお客さんが黙って離れていくことになって倒産したんです。

飲食店が開店と閉店を繰り返すのは、こういう移り気な客をターゲットにしている店が多すぎるからだと思うんです。逆に言えば、そういう客を相手にしないといけない収益モデルなど、私には怖くて手が出せません。

塾経営も同じです

目先の利益のために成績の悪い子供を入れると、「あの塾はそういう塾やから」と他の生徒は来なくなります。授業でレベルの低い注意を繰り返し言ってるのを聞くと、「どんな生徒が来てるねん」と周囲の子供たちも思うでしょう。

その成績の悪い子供を教えるのはとても大変です。何度も簡単な間違いを繰り返して、それでもやる気のない態度に私もキレ気味になることがあります。他の生徒にいい影響な訳がありません。こうして苦労して教えても教えても成績は上がらず、講師は疲弊し、生徒は短い期間で辞めていきます。「ほめて育てるの裏側/子供を犬扱いした言葉です」の通りです。その上、塾に不満を持った方が悪評を広めることさえあります。

ですから、目先の生徒は欲しくても、こういう生徒は採らずに、やせ我慢する時期が必要になります。以前もそういう時期を乗り越えて、ある程度の生徒を集めてきました。

休校から塾を再び開けて1年経ちました。この1年間、私は目先の利益を優先しました。生徒0からの出発で仕方なかったからです。ものすごく苦労している子供もいます。休校前なら入塾させなかった子供たちです。中には、私の方が限界に達している生徒もいます。この私が限界だというのですから、相当です。

一人だけ限界を超えた生徒はお母さんと話し合いの上、辞めて行かれました。その欠員はすぐ埋まりました。0からの出発は大変ですが、欠員の補助くらいは大丈夫な状態に経営を持ってきています。

定員がほぼ埋まっている現在、私が疲弊しないといけないような生徒は採りません。満足して長く通塾してもらえる生徒を採る以前の入塾基準に戻します。

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芦屋で500人以上、個別指導20年のベテラン講師が、毎日・全教科、中学生と高校生を指導します。御影高校・神戸高校、関西学院・同志社・神戸大学・大阪大学を目指す特進個別塾です。