さらに手ごわい生徒/サボタージュ
さぼる技をおぼえた子供
昨日紹介した「怒られ慣れた生徒」の中には、上手にサボタージュを活用する手練れがいます。
サボタージュとは、真面目に勉強をするふりをしながら頭の中はお花畑にトリップしていて、3時間机に座っていても普通の生徒20分程度の学習しかしないことです。
まず、机の前に座って問題を解いているのですから、親は騙されます。塾の講師では「もっとさっさとやれ」と怒っても「分からない」と説明を求められ、逃げられます。そこで一生懸命説明しても相手はスルーして頭の中はお花畑にトリップしているので、説明し終わった途端「分かりません。」と繰り返されます。毎日際限なくこの牛歩戦術を取られ、講師は「辞めるまで、授業料もろうたらエエわ。」と心折れることになります。これ以上関わると自分の心が壊される講師は熱心な指導を放棄し、生徒を放置します。
そして、塾でも自分のペースを得ることに成功した生徒は、頭の中はお花畑で安楽に過ごします。
講師がブチ切れてもどこ吹く風
ところが、「ええ加減にせえよ、舐めてるんか!」と、私などの器の狭い人間では、商売っ気の前にブチ切れることになるのですが、怒られ慣れている子供にはカエルの面に小便程度の威力しかありません。
いくら怒鳴りつけようが、凄もうが、耳にシャッターを下ろして心を閉ざしておけば、心は平穏だと知ってるんです。生徒の器のデカさに、私のような小さな器では太刀打ちできません。どうせ短時間怒鳴られるのをスルーすれば、こちらが疲れ果てるのを知っているんです。
もうね、時代劇でいくら拷問をしても吐かない盗賊の頭領が「1時間撮影辛抱したら、メシでも食いに行こっかな~」と発泡スチロールの石を抱えているのと同じくらい平気なんです。鬼平でさえ、「ありゃ~、相当なタマよのぅ~」っと感心すること必至です。
取れる手段は二つしかありません
塾で取れる手段は以下の二つです。
・放置。なるべく長期間、楽に授業料を頂く。親が文句を言って来るのなら、辞めてもらう。
・他の子に悪影響だから、辞めさせる。
親が取れる手段は二つです。
・受け入れて、将来フリーターになっても面倒を見る。
・「進学させない」「家から出ていけ」と、子供に思い知らせる。
企業が取れる手段は二つです
・雇用しない・・学歴でハネる。
・学歴で騙されても、入社後に分かった時点で自主退職に追い込む。
こういう若者には上司がブチ切れて「辞めてしまえ~」ということになります。多くの子供を見てきた私からしたら、「そらそうなるわな~」程度にしか思いません。だから最近の「パワハラ」「モラハラ」なんて、私は信じません。大抵の原因はされる方の社員にあると、子供たちを教えていて私は思っています。
正直、講師や上司の心をいたぶるこういう生徒や若者の方がモラハラやねんと言いたいですね。