高校生が直面する就職氷河期 AIバブルの崩壊はドットコム・バブルやリーマンショックより大きい
いま、多くの高校生や親御さんは「深刻な人手不足だから、とりあえず関関同立くらいに滑り込んでおけば、将来の就職も大企業で安泰だろう」という楽観的なシナリオを描いています。
しかし、現在のAIバブルに乗った株価上昇、不動産価格の高騰を見れば、その予測は極めて危険です。 いまの高校2年生・3年生が大学3年生になり、就職活動の最前線に立たされる4年後(2030年前後)、世界の市場環境は一変し、リーマンショックやかつての就職氷河期に匹敵する、あるいはそれを超える「新卒採用の急凍結(大氷河期)」が直撃している可能性があります。
ところが、マスメディアはもとより、学校でも塾でも「厳しい時代が来るかもしれない。なるべくいい大学に全力を出して進め」と言っていることは聞いたことがありません。ミドリゼミは以下の事実を高校生には伝えています。
メディアが報じる「AIによる新卒削減」の嘘と、企業が隠す真の狙い
現在、新卒社員の採用人数は、2年前のピーク時に比べて減少に転じています。マスメディアはこれを「生成AIの社内活用が進んだ結果、業務が効率化され、新入社員の採用が抑制されている」と尤もらしく書き立てています。
しかし、実際にビジネスの現場でAIを仕事に使った人間であれば、この報道がいかに実態から乖離しているか即座に理解できるはずです。現在のAIは、人間の労働力を完全に代替できるようなものではありません。むしろ、AIが出力したデータの検証やファクトチェックのために、かえって人間の手が必要になっているのが実態です。
つまり、「AIが人間の代わりになるから採用を減らしている」というのは表向きの嘘に過ぎません。企業が新卒採用を絞り始めている本当の理由は、「数年先に確実に訪れる世界的な業績悪化(不況)をあらかじめ冷徹に織り込み、一度雇ったら簡単には解雇できない固定費(人件費)を、今のうちから防衛策として削りにいっている」と見るのが、最も賢く、合理的な見方です。
(引用文献。情報)
新卒採用「増やす」企業は減少、4年ぶり3割台に…拡大傾向は一服感/2027年度・新潟県内主要企業調査
AI利用拡大で新卒採用減少 量から質へ転換する企業の採用戦略
デジタルテクノロジーの課題と現状の対応策 総務省のデータがPDFに書かれている
AI産業の実態とAIブーム終焉の必然性そしてバブルの破裂
この企業が織り込んでいる景気悪化の引き金となるのが、現在世界中の資金が群がっているAIバブルの構造的致命傷です。
2000年のドットコムバブルの際、投資の主役は「光ファイバー網」などの通信インフラでした。これらは一度敷設すれば20年、30年と物理的に維持できる資産だったため、たとえ当時の通信会社が倒産しても、インフラそのものは社会に残り続けました。その結果、GoogleやAmazonなどの企業が、その格安で残されたインフラを活用し、着実にネット社会の夢を実現していくことができたのです。
しかし、今回のAIバブルの投資対象は「GPUやTPU」といった、極めて寿命が短く、3年で技術的に陳腐化する精密半導体です。これは、一度買えば終わりではなく、3年ごとに何十兆円という巨額の買い替え投資を「永遠に」続けなければ、AIを発展・維持できないことを意味します。現在の「莫大な投資に対して収益が圧倒的に足りていない」という赤字構造の中で、この持続的な超巨額投資を続けることは論理的に不可能です。例えば、マイクロソフトのAIへの投資金額(年間):約500億〜550億ドル(約7.5兆〜8.2兆円)ですが、収益は推計年60億〜80億ドル規模です。収益は非開示なところが多いですが、おおむねこのマイクロソフトと同じで1割程度だと言われています。この1割がどんどん上がって投資に見合う金額になるというのが、ハイテク企業の言い分です。
しかしながら、現在使っていて皆さんが頭を悩ましている、ハルシネーションやウソのデータでっち上げという致命的なAIの弱点は、単語を確率的に選び出すというシステムの根幹を変えない以上、いくらGPUが発展して計算速度が上がってもバグだらけの確率を高回転で回していくに過ぎないので、不可能なのです。だから、多くの企業が自社のデータ整理や統計解析などのエクセルレベルのことしか使えないと判断してAIへの使用資金や投資を下げつつあります。その中で、この莫大な投資を続けられるのかは疑問です。
このビジネスモデルの破綻は、すでに具体的な数字として現れています。現在、世界中で計画されていたデータセンターの建設予定のうち、実に約半分が「建設の延期や中止」に追い込まれているのです。これは単なる電力不足のせいだけではありません。ビッグテックやクラウド事業者が、株主総会などではバラ色のAIの未来と莫大な投資を語る一方で、「実際のAIの需要予測や将来の投資予測」を、従来の過剰なバラ色予測から「下方修正(大幅な引き下げ)」し始めている可能性も高い。
この「歪み」の頂点に君臨しているのが、世界最高の株式資産(時価総額)を誇るエヌビディア(NVIDIA)です。同社の株価は、実体のない過剰な需要予測をベースに限界まで吊り上げられています。ひとたび「思ったよりAIが売れない、データセンターも要らない」と市場が正気に戻り、GPUの注文が止まれば、エヌビディアの株価は半額どころではない、とてつもない規模の壊滅的な暴落を起こす可能性を秘めています。 さらに恐ろしいのは、このパニックの波は、本来は別のコア事業で強固な収益基盤を持っている他のハイテク株(マイクロソフトやアルファベットなど)をも容赦なく巻き込み、株式市場全体を総崩れ(金融危機)へと引きずり下ろす引き金になります。今まで周りを巻き込まずに市場全体が暴落しなかったバブル破裂はありません。
(引用文献。情報)
6,500億ドルのAIデータセンター建設ブームに暗雲、米国で計画の半数近くが遅延・中止
スペースX株式上場の理由 イーロンマスクの狙い
6月の半ばにイーロン・マスクのスペースXという衛星打ち上げ会社の上場がしました。史上最高の上場額で華々しいものでした。しかし皆さんは、なぜ天才であるイーロン・マスクが今スペースエックスを上場させたと思われますか?AIへの投資資金を得るためなど一般的に言われていますが、私は今が高値で上場できる最終局面にあるとマスクが踏んでいるからだと思います。
AIバブル破裂と急激な景気の落ち込み、そして採用抑制
「アメリカのテック株が暴落しても、日本の高校生の就活には関係ない」と思うのは、経済の連鎖構造が見えていない証拠です。
現在の株式市場(S&P500など)は、過去のドットコムバブル時よりも遥かに異常な、「ほんの数社のビッグテックへの資金の一極集中」によって支えられています。さらに最悪なことに、世界中の年金基金や個人投資がハイテクの個別株や、ハイテク株を含むETFを買い漁っている。新NISAでオルカンやS&P500は、リーマンショックも知らない世代の定番です。
AIバブルが弾けてビッグテックの株価が総崩れになれば、世界中の年金基金だけでなく、アメリカや日本の一般家庭の資産も大打撃を受けます。 さらに、金融機関や投資家は損失の穴埋めのために、不動産や金などの他の資産を一斉に売りに出すため、社会全般の資産価値が暴落します。資産が目減りした個人は購買力を失い、国内の消費は急激に冷え込み、企業の業績は一気に悪化します。この資産市場全体の崩壊の影響はドットコムバブルやリーマンショック並、あるいはそれ以上だと言われています。
その最悪の不況期に就職活動を迎えるのが、まさに今の高校生たちなのです。
(引用文献。情報)
好景気の終わりと「厳しい学歴フィルター」の復活
不況に直面した日本の大企業が真っ先に取る防衛策は、「新卒採用枠のさらなる縮小」です。
深刻な人手不足が続いている売り手市場であれば、関関同立の学生からでも、三井住友銀行をはじめとする超一流の大企業へ大勢入ることができます。しかし、親世代がかつて身を以て経験した「就職氷河期」には、そんなことはありませんでした。当時はどれほど優秀であっても、関関同立というブランドだけで大手金融や一流企業の書類選考突破は難しく、通ったとしても圧迫面接で酷い目に合って心折れる就活生も多かったのです。一方で、神戸大学以上の国公立大学などは大きな影響は受けませんでした。
業績が悪化し、採用枠が激減する大氷河期において、当時の状況が再現されることは目に見えています。企業は選考にコストも人員もかけられなくなります。一斉に「京都大・大阪大・神戸大、および早慶以上の学生しか面接に呼ばない」という学歴フィルターが復活します。
あの理不尽な就職氷河期が、今度はあなたの子供たちをターゲットにして、全く同じ形で復活するかもしれない。「1人の学生が内定をいくつも持って好き勝手に選ぶ」ぬるい時代は、一瞬で終焉を迎えます。
(引用文献。情報)
【三井住友銀行】就職難易度・採用大学・学歴フィルター・倍率・選考対策を解説
ミドリゼミは「大人の目線」を崩さない
これまで書いてきたような状況を分かっているのなら、必死にひとつでも上の大学に這い上がらなければいけない。しかし、その努力を横に置いて、大学の推薦入試の論文作成を指導するなどという生徒のご機嫌を取るビジネスが横行している。子供だけではなく親までもぬるま湯に浸っているように思えます。
4年後に来るかもしれない大不況の荒波の中でも勝ち抜ける学習と学歴を勝ち取る。そのためには事実を冷静に分析して、その上で必要な努力を精一杯行う・・・このような指導と学習をミドリゼミでは心がけています。このようなことが言え、子供に決心を促せる塾は少ないと自負しています。


