階層固定化を進める文科省/英語の教科書改訂から
中学1年英の英語の教科書の改訂から
この春、中学で学習を始める1年生の英語の最初のぺージ、Lesson0を子供に解説しました。
まず、I want to ~.や I like~ing.などの不定詞と動名詞が最初のページから放り込まれています。当然、文法的説明もなしです。学校では~したい、~するのが好き、としか教えられないでしょう。もちろん、最初から三人称単数や複数形も、疑問文も放り込まれています。
生徒に聞くと、文法的な授業は小学校でも一切受けていません。
この教科書は東京書籍のNew Horizonという一般的なものですが、狂っています。
中学3年生では?
まず最初の重要文法は、現在完了進行形です。
もちろん、現在完了はまだ教えていません。現在完了が何たるかも、現在完了の継続も完了も経験も知らずに、もちろん状態動詞と動作動詞の継続と完了の使い分けも教えられずに、現在完了進行形を教えるわけです。高校生でも現在完了の継続と現在完了進行形の違いを正確に教わっている生徒はほとんどいません。「もうちょっとちゃんとした授業をやれ/現在完了も受動態もまともに教える教師はいない」に書いた通りです。
この教科書は、三省堂のNew crownという一般的なものです。
狂っています。
教科書改訂から私が思ったこと/階級の固定化
明らかに、半分以上の生徒を落ちこぼれらせて振り落とそうとしています。それもきちんと教えた結果の選別ではなく、基礎から学校で学習させないで応用から始める学習の準備を塾や英会話に金を払ってしていたかどうかの振り分けです。
今回の改定は、塾や英会話に金を払う余裕がない階層の子供を落ちこぼれさせて、低学歴で安価な非正規労働者を作り出す政府の計画にしか思えない。社会の階級を固定化を狙っているんです。
こちらは妄想ですが、「偏差値のマジック/ベネッセでは偏差値が3しか違わない大学の問題較差」にも書いたように、ベネッセや旺文社といった大手が同じように、私立大学の偏差値を国立大学の偏差値より高く出している。実感では10近く私立を水増しして高く設定している。これは、国立大学の地位を低下させ予算を削り、高額な授業料を払える学生を私立大学に集めるというアメリカやイギリスのような階級固定への布石ではないのか? そして、私立では内部進学や指定校推薦の生徒を多くして、中学から付属校や系列校に生徒を囲い込む。中学受験をして中学から高額な授業料を払える家庭の子供に有利な状況がますます作り出されている。
教科書改訂と言い偏差値の捏造と言い、官民が協力して、貧乏人は低学歴で非正規で働け!という格差固定に突き進んでいるのではないかと最近よく考えます。
日本に将来はありません
どのようなアホな失敗をしたら下の図のような体たらくになるのか?ミラクルです。その上に、この教育改定です。少なくなった椅子の占有を、上級階層が占有しようとしているとしか考えられない。日本の発展は教育や社会の平等性に担保されていたはずです。社会全体の繁栄より、椅子取りゲームを選んだ社会など腐っています。
一人当たりのGDPも韓国にも抜かれました。だって、東京のマンションの平均価格は7000万円台、ソウルは8000万円台ですよ。実体経済ですでに抜かれている。ヨーロッパ観光なんかのツアーでも、日本のツアーはホテルが安いナポリに泊まって美しいアマルフィー海岸をバスで通り過ぎるだけですが、韓国ツアーはアマルフィー海岸のバカ高いリゾートのポジターノに泊まって堪能しますからねぇ。もう抜かれているんですよ。
私が若者なら海外に移住します。泥船の中で生きる選択はしません。