解答冊子で分かる成績／講師の「答え見せて」への生徒の対応

講師の「答え見せて」への生徒の対応、3パターン

解答や解法の確認が必要な際に、「答え（解答冊子）見せて。」と私が言うときがあります。この時生徒には3つパターンがあります。まず、解答冊子の該当のページを開いて「ここです。」という生徒。黙って解答冊子を渡す生徒。それにボケッ～っとしている生徒です。

もちろん、成績など上がらない生徒は・・・

ほぼ半数の子供が最後のボケーっとしているパターンです。やる気がないのはもちろんですが、「子供はお客様」扱いを学校や塾でされてきているので、塾の講師などウェイターウェイトレスだと思っているんですよ。だから、「答え見たければ、自分で出して見たら？」と言う態度を大人に取れるんです。

もちろん、こういう態度ですから教えられたことを頭を回転させて自分から理解しようとすることなどありません。「ボケーっと聞き流しているオレ様の分かるように教えろ。」と思ってるんですから、脳ミソなどまるで動いていないのです。

・・・まあ、成績など上がるはずはありまへんわな。

１／3の生徒のパターンは？

解答冊子を渡してくる生徒です。一応先生だから自分から解答を渡してくれます。でも、渡すだけです。なぜ該当のページを開けて渡せないかというと、自分が学習して答え合わせをしているページに赤ペンを挟んでいたりしてすぐに開けるようにしていないからです。

こういう生徒は分からない問題をその都度解答冊子で確認しながら学習しているのではなく、指定された範囲まで一気に解いて、それから解答冊子の該当箇所を探し出して開いて一気に〇×をつけて、答え合わせが終わるとまた閉じているんです。

一気に答え合わせをして〇×をつけるのですから、自分がなぜ間違ったのか、どこをミスしていたのか確認なんかしていません。解答を赤で書き写して終わりです「解答冊子の位置で分かる学力」「デキない生徒程多くの問題集を渡り歩く」。それで「勉強しました！」って言ってきます。

そこで、「この×の問題は分かったの？」「解答が分かったことと、理解して解けることは違うんだよ！」と私が言うと、「答えが分かっているのにゴチャゴチャ言うな！」と逆ギレしてきます。最近は、こういう生徒が非常に多いです。公立中学で通知簿が4主体で3がある生徒、高校でベネッセなどの模試で偏差値が50代後半の生徒は、ほぼ全員こんなレベルです。

まあ、こういう生徒も、「出来ない問題を出来るようになる」ことはありません。できる問題の記憶を定着させることが精一杯で、成績は上げようがないです。だからこんな成績のままなんです。

答えの欄を示して差し出す少数派

「ここです」と解答冊子を開いて、該当の問題部分を示して出してくれる生徒は少数派です。分からないところがあると解答冊子で確認するために赤ペンなどが挟んであるので、直ぐに「ここです。」と講師に渡せるんです。こういう生徒は自分が今何を学習していて、どこでつまづいているのか把握しながら学習しています。

ですから、成績は良いです。理解して学習する姿勢が身についているので、教えれば教えただけ成績が上がります。

それに解答冊子を広げて渡してくる生徒では、解答冊子を指さして「ここの考え方が分かりません。」という質問をしてくることが多いです。「解答が分かっていることと理解できていることは違うんやで！」と私に言われて「なにクソ面倒くさい事言うてるねん」という緯線を向けてくる生徒とは資質がまったく違うんですよ。

解答冊子を渡してくるだけの生徒の成績を上げることは難しい

だって「考えて学習しろ。」「解答が分かっていることと理解できていて自分で解けることは違う。」と言われると、めんどくさいんですよ。絶対に、苦労して考えることなんかしません。今までそんな苦労する学習をした経験はないし、そうしないと成績が上がらないことも分かっていないので、そんな面倒なことはしないんです。

そして、挙句の果てには、「あの塾は分かりにくい。」と親に言って塾を辞めてしまいます。「生徒の皆さんに分かって欲しいこと／上位の学校に進みたければ相応の努力が必要だと言うこと」

親の方も親の方で、「あの塾は分かりにくい」が「成績を上げるために必要な面倒で苦労する学習を求める」とも塾から聞き取らずに、「子供が嫌だと言っているので辞めます。」と連絡してきます。親御さんも解答冊子を広げて学習していなかったんでしょう。「「最近の若者は口だけは一人前で辛抱もない。」とお嘆きのお父様方へ／あと5～6年するとその若者が神々しかった有様になります／でもね、親御様の方が変化は激しい」

じゃあ、デキない生徒はデキるように変えられるのか？

解答冊子の渡し方は、礼儀の問題ではなく、教えられてやることでもなく、その生徒の資質そのものなんです。でもね、いくら説教しても、アドバイスしても、この資質は他人が変えようはないんですよ。唯一自分が痛い思いをして学習した時のみ、自ら変わります。

問題は定期テストの失敗ごときでこういうだらしない根性は変わらないことです。入試を目前にして合格点に届かないところまで追い詰められないと、自ら変わらない。私の経験上、通知簿4主体で3が混ざった程度の公立中学の生徒は、3年生の冬休みに初めてマトモに学習に取り組み始めます「中学３年の冬休みまで本気を出さない子供たちの将来」。

それで、3年間「でけへん。」「わかれへん。」「あの塾分かりにくい。」と言っていたことが2ヵ月程度ですべてできるようになって合格点を取ってきます。だからこういう生徒が進む中堅校の合格点は、そんなチンケな努力結果が反映された点数になっているんです。

その結果、大やけどをする

高校受験目前に自ら解答冊子を開いて読むようになって合格点を取ってきて、「入試前に少し頑張ったらOK。」という間違った成功体験を学習したこういう生徒は、高校ではどうなるか？

その成功体験から、高校の学習を舐めて、また元の木阿弥の学習に戻ります。と言うか、余計に酷くなります。その頃には親も「年齢も年齢だし。」とあまりうるさく言わなくなるので、酷い有様になります。「高2生3割が勉強時間ゼロ　希望進路で差、文科省調査」の通りです。

ところが、高校の学習は難しく3年の夏休みから頑張ったところでどうにもならないんです。だから、こういう生徒は早々に学習を諦めて、「総合型推薦」とか言う学力テストなしの入試を選ぶわけです。中堅少し下の大学や専門学校では学生のレベル確保より定員確保が命題ですから、こういう無試験で合格できる推薦入試を準備して夏休み中から学生の青田買いを行います。

・・・そんなところ行って、まともな就職あると思います？　今や20歳代の4割が非正規労働者ですよ。