熱心に進路指導してはいけない生徒/上の下の成績の生徒/でもそうするのがこの塾の仕事

上の下の成績の生徒への現実的な進路指導は退塾を招く

この数週間、当塾の進路指導について考えてきました。問題が起きる多くの生徒は上の下の成績の生徒です。

こういう生徒にはどういう進路指導となるのか? 中学生の場合は、仮に猛勉強して上位の進学校に下位で進んだとしても、そこから優秀な生徒を追い越し上位にまで駆け上がり国立大学など到底無理だと塾側にはわかっているわけです。多くの場合落ちこぼれて関関同立はおろか産近甲龍にも進めなくなります。

それなら中堅校に上位で進んで、基本から丁寧に教えてくれる授業で余裕のある学習をして、学力が下の子供たち相手に上位の成績を楽に維持して関関同立に行く方が良い結果が生まれるわけです。でも、中堅校では友達やクラブ活動にからめとられて、上位から引きずり降ろされる場合も多い。

だから、家庭に余裕があるのなら、最初から関関同立の付属校進む方が賢いし、中堅校に中位くらいで進むのなら甲南や武庫川に頑張って入った方が良いとアドバイスします。

もちろん、「塾側からは親御さんが気付かない実情や情報を知らせているだけです。よく相談してご家庭でお決め下さい。」と最後には申し上げます。

こういう情報は学校はもちろん多くの塾でも与えられずに、生徒や親が「この高校大丈夫でしょうか?」にイエス・ノーぐらいの話しかされません。だから敢えて当塾では様々な情報や可能性、時には現実的な話をします。

ところが、この現実的な話を「子供が否定された。」「子供の可能性を潰す。」と受け取られるのではないかと思っています。もちろん、こういう話は親御さんを見てどこまで話せばいいのか考えながら話しますが、中学受験で失敗して公立校に通っているようなお子さんをお持ちの、痛い思いもしてこういう話はよく分かっているはずの親御さんでも、「子供の可能性を潰す。」などとお考えの方が増えているように最近は感じています、

高校生の場合でも

例えば進学校で下位で落ちこぼれていて、到底学校の授業にはついていけない。あるいは中位で学校の宿題にアップアップで理解不足を復習する時間がなく基礎学力も十分ではない。こういう生徒が進学校にはごまんといます。上位2~3割以外はこうなっていると考えてもいいでしょう。

落ちこぼれている、あるいはアップアップなのですから、今の状態で塾に来ても過去にさかのぼって復習しながら学校の成績を上げるなど難しいわけです。その証拠として学校の進学実績を示して、今の成績なら国立大学など無理で、現役なら3教科に絞って私立を目指さして関関同立が精一杯だと現状を知らせます。こんなことになる理由は、復習する余裕もなく基礎学力もない現状で、進学校のプライドだけで国立大学などと言って現状を改善しないからだと説明します。

どうしても国立大学と言うのなら、クラブも辞めて全精力を学習に注ぎ込み、それでも学校の成績には目をつむって復習主体の学習に切り替えて、浪人も含めたスケジュールで学習を組み直さないと不可能だと申し上げます。「キミは、あの上位の生徒のあの学力に、ちょっと塾に来て勉強したからって追いつけると思うのか? 人数から考えて神戸大学以上の国立大学に行くのはあの連中やって分かってないのか?」とクギを刺します。

けれど、ほとんどの場合、「でも、クラブもそのままで、(落ちこぼれている)今の学習延長線上で全教科復習して神戸大学に行きます。何とかしてください。」と親御さんも生徒も答えます。特に私立の進学校の生徒では、中学受験で関関同立の付属校を蹴って進学校に進んだ過去の決断を覆せないから志望校を私立に下げるなどあり得ないのです。

その結果、塾に来ていただいても思う通りの成果が出せず退塾と言うことにも多いです。だって、落ちこぼれている今の学習を立て直そうにも、今の学習の延長では基礎学力がなく立て直せないんですから。でも、その基礎学力を学習し直す時間もなく、学校の成績に目を瞑るのも嫌で、そんな面倒なことはしないでパッと成績を上げろとおっしゃっているんです。

そんなことはできないことは入塾時から分かっているから上のような痛い提案をしているわけです。そして、ことあるごとに「どうしても全教科頑張り直すのなら、クラブ活動もやめて全精力を学習に詰め込め。」と言うと、「いい加減、嫌なこと言うのやめてくれない?」ってな調子で塾を辞めます。

だから、日本経済のように茹でガエルのまま成績も上がらず2~3カ月で退塾することが多い・・・クラブもしながら多少学習して全教科巻き返せて簡単に合格できるのなら神戸大学や大阪大学の値打ちはないんですよ。こんな当たり前のことすら分かってもらえない。

これより上と下の生徒では、進路指導のトラブルはあまりない

だって、上の生徒では順当な学力と進学先について、その努力と妥当性を認めて話し合うだけです。下の生徒では、頑張れば付属校に行けば甲南大学に進める、中堅校でも頑張れば関関同立にも行ける、だから「頑張れ!」としか話せません。希望を煽ることになりますから、苦い話で子供も親も怒ることはないんです。

下手に口出しするのは止めようかなと弱気になっています。

子供のためを思って現実的なアドバイスをしても、現実的な学習プランを提示しても、納得してもらえず不満だけを持たれて、自分たちの判断で勝手に学習を進められて、その結果成績も上がらずに辞めると言われる。

だからどの塾も立ち入った進路指導などせずに、辞めるまで授業料を払ってもらえればいいと考えている。私も最近はそれしかないのかな?と思ったりもしています。

でも、この話を書いていて、数か月前に塾でブチ切れていた親御さんを思い出しました。「中学入学時は神戸大学も大阪大学もウチの学校からは進めますと言っていて、高校3年生の夏に親を集めた総会で関関同立に行ければいい方ですから納得してくださいって、いったい何やと思ってるねん。」

事なかれ主義に徹していれば、少なくとも5年半は波風もたたずに授業料はせしめられるわけです。でも、こういうことにならないようにするのが私の塾の務めだとも思っています。

でも、説明会と体験授業で説教を2時間半する

先日も、入塾の際の説明会で、親御さんに現状を説明し、子供を説教して2時間半も休日に使いましたよ・・・俺の休日が・・・。

それに納得してきてくれるならよし、あんな面倒な塾は嫌だというならそれもよし・・・小さな塾が存在する価値は大手のサラリーマンではできない真摯さしかないんですから。

               

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芦屋で500人以上、個別指導20年のベテラン講師が、毎日・全教科、中学生と高校生を指導します。御影高校・神戸高校、関西学院・同志社・神戸大学・大阪大学を目指す特進個別塾です。