大学受験に失敗する英語の学習・成功する英語の学習

文法の裏付けがない訳で意味が取れていない学習

高校では半数以上、80%以上の生徒が、文法の学習と長文読解の学習は別物だと考えて、長文読解になると文法的な解析なしに簡単に読み取ろうとします。それで、単語の意味だけ調べて和訳して、その和訳が間違っているからパラグラフを読み終わった時に何が書いてあるかまるっきり内容がつかめないことになっています。

英語を日本語に直してはいるが、適当な間違った訳をしているから、何が書いてあるか把握できないんです。だから、よくある内容正誤問題で「内容に合っているもの2つ選べ。」なんて言う選択問題を苦手としています。読み終わっても内容が分かっていないから、問題の文章と同じ単語を探して文章を比較するようなことをするんです。

具体的にはどういう学習が必要か

これは、2,3日前に私が自分の英会話の教材で使った文章です。皆さんどう訳しますか? ちなみにFennとは男性の名前です。

Fenn had the idea for the treasure hunt in the 1990s, after he found out he had cancer. He was told he only had a 20% chance of recovering, so he decided to write a memoir. While writing, he thought about how much fun he had had collecting art and decided that a treasure hunt might be a good way to pass that fun on to others once he died.

高校2年生で最初の2つの文章が分からないと言っているようでは、大学受験辞めた方が良いです。問題は3番目の文章のhe thought about how much fun he had had collecting artという部分です。このhad hadって何だと思いますか?こういうところを正確に訳せないと意味が全く取れないんです。

he thought aboutと言っているわけですから、aboutという前置詞の後ろには名詞や関係詞や疑問詞などが来るはずです。だからhow much funで良いわけです。ということはhe had は関係代名詞が省略された目的格となります。「彼がどれほどの歓びを持っていたのかについて考えた」という高校1年生でも訳せる文章なんですが、じゃあhad collecting artはどうなんねん・・・と言うことになるわけです。これがfor collecting とかto collectなら「アートを集めることに対して彼がどれほどの歓びを持っていたのかについて考えた」と簡単なんですがhad collecting artになっています。

このhad hadをはhaveの過去完了と考えればcollecting artに続きません。だからhow much fun he hadが主語になり、2番目のhadが本動詞と考える以外ないんです。はhow much fun he hadまでが主語と考えれば「彼が持っていたどれほどたくさんの喜びがcollecting artを持ったか、考えた。」になります。

だから「ああ、コイツはアートを集めることは楽しくって、そのことを考えたんやな」という意味が取れるわけです。英語を読み取って正確に内容を理解するのが和訳であり、英語を日本語に直すのが和訳ではありません。特にこういう名詞構文的な主語を持つ英語表現は日本語に直しにくいから、なおさらです。

この解説を読んでチンプンカンプンな高校3年生は甲南大学以上は諦めましょう

この英会話の文章が、大体標準ちょっと上くらいの入試問題の長文です。昨日も「大学受験に失敗する生徒の見分け方」にも書きましたが受験問題集にはこのレベルの長文が載っていて、こういう解説がしてあるわけです。その解説を読んでも分からないのであれば、受験問題など一生読めないことになります。高校1,2年でキチンと英文法を学習していなかったツケです。さらに、こういう文法的知識がないのに英会話を習っても、まったく文章を作れずにおぼえたセンテンスしか話せず、まったく上達しないことになります。

ですから、私の塾では高校2年の夏休みまでに、塾で買ってもらった文法の問題集を参考書を見ながら何回も、分からないところがなくなるまでやらせます。学校の文法の教材だけでは内容が足らないんです。その上で、2年の夏休みから入試用の文法や長文の問題集をやらせます。まともな学校なら英文法の入試用問題集は学校から配られています。Next Stageなどが有名です。長文は基礎英語長文問題精講一択です。解説はダメダメですが選ばれている長文が素晴らしい。とにかく、1・2年の間は、上のような解説をこういう問題集でできるようになるまで、徹底的に文法をやらせます。でないと、その後の学習は伸びません。というか、こういう入試用の問題集をやり切れません。と言うことは、まともな入試問題など一生解けないということです。

上級者は頭から英語を読む・・・普通の高校生にはムリ

けれども、この構文は英会話の教材で、そんな文法的なことを考えて作られていないと思います。英語は言語で、文法的にも不正確なことが多いです。また日本語が「どれほどアートを集めることが面白いか」と「アートを集める」が「こと」を修飾するように前から後ろを修飾するのに比べて、英語は逆で、後ろから修飾して説明を補足していきます。だから、頭から意味を読み取って補足していきながら読んでいくのです。外人もそう考えながら継ぎ足し継ぎ足し英語を書き話しているんだと思います。

だから、上の文もhe thought・・考えたんやな、何をや? about how much fun・・・どれだけの喜びがか。he had・・ああ、コイツが持ってた喜びやな。had・・そのよろこびが持ってたんや、何をや? collecting art・・・そうか、アートを集めることを持ってたんや。で読み終わった後に、「メッチャ大きな喜びがアートを集めることを考えたんやな。」→「こいつ、アート収集が大好きでそのことを考えたてたんや。」と意味がつかめているというのが、英語を頭から読むという上級者の読み方です。

もちろん、文法も頭に入れながらSVOMの文型の構成要素でキチンと区切れないと、こういう読み方はできません。問題は文法的知識もない高校生が、単語の意味を引きながら、こういう適当な読み方をしていることです。だから、文法的に正しく区切ってなくって、正しい訳にならない。

まずは最初に書いたように、文法的にキチンと説明できるように読み取れるようになって、それからこういう頭から訳していく読解ができるように訓練していくんです。英語を頭から読めるようになれば、長文読解は卒業です。

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芦屋で500人以上、個別指導20年のベテラン講師が、毎日・全教科、中学生と高校生を指導します。御影高校・神戸高校、関西学院・同志社・神戸大学・大阪大学を目指す特進個別塾です。