成績が伸びる生徒の質問/当塾の教えるレベル

デキない生徒とデキる生徒の質問の差/オレを泣かせてそんなにうれしいんか?

塾で一番成績が伸びている生徒の違い/真ん中ぐらいの成績がトップクラスに」で書いた生徒に、昨日偶然こんな質問をされました。

More than ever do we need books we have read ・・・・というような?英文の和訳についてです。1晩空けて、私も正確に覚えていません。彼の質問が予想つきますか?

彼の質問は、More than everは否定語ではないのに、なぜdoを使って倒置が起こっているのかというものです。和訳が分からないので聞いているわけでも、「倒置が起こっている」とだけ書いてある問題集の解説が分からないわけでもないんです。それを理解したうえで、「こんな倒置など、自分が理解している文法ではない。」と考え、参考書で自分で調べてそこにも書いてなくて、それから私に聞いたんです。

補語や目的語、副詞句の倒置は、助動詞がない場合には動詞が直接前に出て倒置が起こると、どの文法書にも書いています。More than ever need we books we have read ・・・・となるはずなんです。その生徒の言う通りです。私も複数の文法書で調べましたし、一番詳しいと言われるロイヤル英文法でも調べました。否定語の倒置以外で、doをわざわざ作って前に出すことは、どこにも書いていません。

アホな子のようにできなかったら直ぐに「分からない」と聞いているんではありません。その前にデキない生徒では、「和訳が分かったからOK」で質問なんかしてません。「倒置?そうっすか。」で流して終わりでしょう。アホな生徒は「正解が分かった」=「分かった」ですから。彼らの頭には「理解」という文字はないんです。

デキない生徒とデキる生徒の格差と較差、お分かりいただけたでしょうか?・・・でもね、ロイヤル英文法に書いていないことなど私も分かりません。こういう解答できない質問をされることが、優れた生徒を教えるときに一番困ることです。因みに、この生徒は理系で、一番の苦手が英語の長文読解です。納得いただけましたか? この格差と較差。

デキる生徒の質問に、私が考え抜いた末に答えられたこと

①人が書く文章だから、文法書通りの絶対はないということ。

②この場合、本動詞を前に出してMore than ever need we books we have read・・・ とすると、we booksのように名詞が連なる変な文章になります。それを避けたかったのではないかということです。目的語や補語、副詞句で本動詞を前に出して倒置する場合、主語の後ろに何も残らない場合しか参考書の例文には載っていないからです。例えば、Away went the car.のようにです。だから、目的語を取って主語の後ろに残って名詞が連なって変な文章になるAway want I the car.のような例文はないんです。

否定語の場合doがついて前に出るのは、Never do I want the car.のように目的語が残る場合が多いからだと思うんです。けれど、どの文法書にもそんなことまでは書いてありません。否定語の場合はdoをつけて前に出す。目的語や補語、副詞句の場合は本動詞を前に出すと書いてあるだけです。

だから、②の解説は正しいのかどうか、私にも分かりません。塾が終わってからネットでも調べましたが、どこにも書いていませんでした。おそらく、誰にも答えられないと思います。そういう意味で、①なんです。文章を整えるために、②のように作者がdoを前に放り出した、というのが私の結論です。

「教える」ということに関する当塾のレベル

このデキる生徒の質問に私も確証をもって答えられませんでしたが、私は自分の解説に恥じてはいません。それほど的外れなことを言ったとも思っていません。逆に、ここまで考えて言える講師など少ないと思っています。こういう質問をしてくる生徒がいて、私がこういう解説をできることをうれしく思います。

これが、当塾の「教えるレベル」です。その辺の予備校より下だと思いますか? 私は、これをその場で質問されて、その場で答えます。学年も教材も能力も違う多くの子供を教えながら、短時間で、その場で答えていくんです。その答えも、教材を予習して、尚且つ「倒置が起こってる。みんな分かるかな~」っていうような解答コピペの授業をしている学校や予備校の教師や講師などとは違います。

小さい塾だからと、侮ってくる方も多いですが、心外です。・・・因みに、私理系ですからね。英語だけ得意という訳ではありません。

お分かりいただけましたか? 成績が上がる生徒がどんな学習をしているのか?

参考書や問題集に解説してあることも見ずに、「分からへん」と講師に聞くレベルでは劇的な成績向上なんかないです。自分で調べて、考えてから「考えても、ココが分からない。」と聞くレベルにならないと、成績なんか上がりませんよ。

私が、「ここに書いてあるやないかい。しっかり読め。」とか、「一回自分で考えてから聞けよ。」とかいう生徒はまだしも、「ボ~って問題集眺めてるだけで、おぼえられるんかい!書いておぼえろ!」「この前教えたとこやないか!全部忘れてるってどういうことやねん!」「また、テストでこんなことしてきて・・・何回同じこと繰り返したら気が済むねん。」なんて締め上げないといけない生徒は、なおさら成績なんか上がりませんよ。「成績が伸びない子供の特徴/阪神の藤波投手に学ぶ」に書いた通りです。

こんな生徒ばかり教えられたら、なんと幸せなことか・・・。

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芦屋で500人以上、個別指導20年のベテラン講師が、毎日・全教科、中学生と高校生を指導します。御影高校・神戸高校、関西学院・同志社・神戸大学・大阪大学を目指す特進個別塾です。