子作りは欲求にまかせて、子供には欲求を我慢しろという中学受験/早生まれを無視する親たちの中学受験
もし本日のブログで、早産などの出産の都合で不愉快な思いをした方がおいでになれば、お許しください。
この話のベースは「早生まれの学力不利益/学歴差は就職差になり所得差にもなる」に書いた通り、遅生まれは早生まれより平均4.5偏差値が高い高校に進むという研究データをもとに書いています。
4・5月生まれは中学受験に有利という絶対法則
もう、これは子供の発育として仕方ないですよね。12歳ぐらいの1年の差は果てしなくデカい。中学生に近い子供と、小学5年生に近い子供を同じ土俵で競わせて「偏差値」という愚かさ。まるでヘビー級とライト級を戦わせるボクシングのようなもんです。
幼い遊び盛りの子供に我慢を強いてそこまで「お受験」というのなら、何で4月に子供を産まなかった? 3月に産んどいて「あなたは、なんでできないの!」はないでしょう。それなら、もっと子作りの時期を考えるべきでは?
いや・・・「本能だもん、成り行きで、仕方ないじゃん。」って? その言葉、本能を押し込めて中学受験で苦労して高校生にでもなった子供に聞かせてあげて下さい。
せっかく入学しても早生まれの子供に起こる悲劇
生育面で凄いハンデのある子供に、なんでわざわざ不利な中学受験で勝負を挑むのか分からない。上手く乗り切って、無理矢理ギリギリで進学校にでも進ませた場合、遅生まれの成績上位の生徒に合わせた早く速い授業に落ちこぼれて、嫌気が差してそのままジ・エンドということも多いです。
早生まれなら少し下目の学校に入れて、余裕で高校の授業を乗り越えさせて、大学受験で勝負すればいいものを・・・。あるいは、公立校に進ませて相応の塾に通わせて、大学受験で勝負すればいいものを・・・。
「私が見た最悪の学校指導・・中2で青チャート、高3で白チャートを教える進学校」「学力が伸びない高校生の理由:文法力がないのに長文読解をさせる進学校」「進学校に進んで、4年半も高校の学習をして、なぜ多くの生徒は関西学院大学にも合格できないのか?」に書いてきたように、遅生まれの成熟が進んだ上位の学力の生徒の進学実績だけを考えた授業を受けさされて、身に付かない大量の宿題にアップアップして、クラブを楽しんで遊び倒してきた公立校の子供以下の学力しか身に付かない子供はとても多いです。繰り返します、とても多いです。
高校の後半になって生育が追いついた頃には、落ちこぼれた後で、もう遅いんですよ。これが、進学校の下位の生徒の目を覆う大学進学実績に繋がっています。「浪人に悩む親/進学校の浪人増加の背景」の背景でもあります。
もちろん、早生まれでも進学校の授業について行って、生育が追い付いた高校生で遅生まれをぶち抜くという生徒もいますがね。でも、わざわざ失敗する可能性の高い受験を選ぶ必要はないと思うんですが、親の見栄が勝って目先の受験で勝負するんですよね・・・大学受験のために中学や高校なんかあるということも忘れて。
遅生まれに起こる悲劇もあります
でも、大学受験では、この遅生まれの武器は無力になるんですよ。だって、17歳と19歳、見分けつかないでしょ? 成熟に近づいて、成長の差は小さくなるからです。持って生まれた能力と性格という資質の差がモロに出始める。
だから、上にも書いたように、遅生まれを武器に中学受験を勝ち取っても、早生まれのハンデを負いながらも受験を勝ち取り授業についてこれた生徒にごっそりと抜かれます。「中学の頃は成績は良かったんですが、高校になって・・・」ということが起こる。
こういう遅生まれの子供もいますが、それにしたって中学受験するような親ならだれでも知っている早生まれのハンデをわざわざ背負わすより、よほどマシです。
結局は、親は自分の欲求しか考えていない
本能の欲求で出産時期も考えずに子作りし、子供ができたら「子供の将来」という名を借りて親の見栄を満たす欲求に突っ走る。早生まれのハンデのある幼い子供の尻を叩き、上位の進学校に無理やり下位で進ませ落ちこぼれさせて、公立にでも行って文科省が年齢に合わせたカリキュラムを組んでいる授業を受けさせておけば理解できて進めた大学にも進めなくなる・・・って、やりたい放題にしか思えないんですけれどもね。
・・・自分たちの小作り・子育ての結果が子供の将来にどう影響するかなんて考えず、考えたとしてもそれを商売にしている受験産業の口車に乗って気持ちいい情報だけを集めているでしょう。「受験と言うインスタ」に書いた通りです。
受験から習い事まで、親の欲求を満たすために酷い目にあわされている子供は多いと思います。私なら、こういうことに気づいた大人になって、親を恨みますけどね。