塾の卒業生からの相談/大手企業への就職の是非

神戸大に進んだ教え子の就職相談

この生徒は私の塾で頑張り抜いて兵庫高校に進み、そこからも私の塾に通い続けて神戸大学に進みました。3年生になった今年、コロナの影響で就職は心配していたんですが、相談がありました。

その生徒が言うには、親はとにかく大手・生涯年収の高い企業に行けと言っているらしいのですが、自分が気に入っている企業である保証はないとかいう曖昧なものです。

皆さん「大手は安定している」「年収が高い」っていうんですが、大手企業で管理職になれなかった多くの社員がどうなるのかお分かりになっていないと思うんです。40才代で管理職になれない社員は子会社へ転籍出向、悪ければ自主退職に追い込まれることも多いです。最近はニュースでも早期退職の勧奨のニュースが良くありますが、マシな大手ならニュースにならないようにやっています。

・・で、大手だから安定していて生涯年収は保証されるのか? 昔のように窓際で高給を保証して定年まで飼ってくれる企業なんてもうないんですよ。ローンを組んで家を買った挙句、子供に金が要る年代になって酷い目に合わされるんです。

牛後? 鶏頭?

大手で生き残り出世街道を驀進できれば一番いいですが、その保証はどこにありますか? ライバルは同じような一流大学を出ている、高い能力を兼ね備えた同僚です。少し小さめの会社で、劣ったライバルの中で抜き出て出世する方が、大手で上に書いたような目に合わされるより、金銭面も精神面もいいんじゃないかとも思います。

けれど、親も学生も、大手で出世の道しか頭にないんですよ。中学受験や高校受験で成功した一部の生徒の栄光だけを見て、進学校に考えなしに進んで、難しい授業と強力なライバルに人並みの成績しか取れず、結局は公立校でのんびりやっていたら進めた大学と大差ないことになったというのと似ています。

私は、どちらかというと鶏頭寄りです。といっても、人からは地味で小さな鶏だと思われて見向きもされなくても、その業界ではキッチリとトップブランドのオナガドリの頭になるのが賢いと思います。オナガドリは天然記念物です。牛や普通の鶏のように、殺され肉にされることはありません。

それに、こういう企業は、社会の変動で業界が成長軌道に乗った時には、大手に化けます。その時には、出世も給与もすべてが与えられます。

地味で堅実でも素晴らしい企業ってあります。私の知り合いが勤めていた20年前の信越化学なんてそうです。今や信越化学のシリコンウェハーがないと、世界中の半導体は生産できません。でも、一流企業に上り詰めて、後は中国の追撃を迎え撃つだけの信越化学に今から就職するのはおいしいところはなく、苦労するだけかもしれません。

その上、信越化学って、昔は従業員を大切にしていました。筋ジストロフィーになった社員を、亡くなるまで長期間在籍させて、いくばくかの給与も払っていたみたいですから。そこの息子さんは、その環境下で安心して学習し、有名国立大学に合格しました。子供に金が要る時期になって、住宅ローンまみれの社員をリストラする企業と対極にあります。こういう企業に就職したらいいなと、私は思いました。

まあ、だから今の信越化学があるんだと思うんですけれどね。

じゃあ、大手で生き残れるには、何が必要か?

運です。管理職の選別時期に当たる30歳代に、自分のことを気に入って認めてくれる上司の下で働けるかが一番重要なことで、仕事の種類や会社の名前など関係ありません。この時期に管理職へのコースに乗らなければ、40歳でいくら頑張ってももう拾い上げてもらえません。後は出向かリストラを待つだけです。

次に重要なのは、業種や将来性ではなく、その会社のカラーです。会社の社風ややり方にあった人間が出世して管理職になり、同じ色の人間を引き上げる。だから、会社の人間の顔つきは、外部から見るととてもよく似ています。同じ表情・臭いがすると言った方が良いかもしれません。その性質や気風は子供へ遺伝や家庭環境で、色濃く子供に反映されます。「親の勤め先で分かる?子供の性格」に書いた通りです。だから、業種や仕事内容より、自分の感性に合った企業を選ぶことが大切です。

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