進学校のどん詰まり/高校で分かる進学塾の弊害

上位の公立高校の生徒で起こっていること

上位の公立高校に通っていて、数学の参考書を理解できない生徒が多くなっていることです。

彼らを見ていると、解答をなぞって読んでその通りに解こうとするのですが、なぜそのように考えるのかにまったく頭が回っていないのです。もちろん、私の塾ではポイントを説明して、アプローチ方法を教え、なぜそう考えるのかと言う頭の回し方まで指導します。

でも、その頭の回し方を、どう教えても、どう回せばいいのか分からない生徒が多いです。頭の回し方を教えたら、その回し方を暗記しようとする。

何故そんなことが起こっているのか

それは、1点でも高い点数を取るために、解法丸暗記を繰り返す進学塾に通っていたからです。応用問題で問題へのアプローチなど教えても、中学生レベルでは、進学塾に通う必要もないほどデキの良い生徒しか受け取れません。できる限り高い点数を取らせるには、出来るだけ多くのパターンの問題で解法を丸暗記させるしかない。進学塾の上位の生徒への膨大な宿題の秘密は、この「解法丸暗記」です(下位の生徒では成績が上がらなくても「一生懸命やってます」という塾のアリバイのためです。)。

優秀な生徒は、ポイントさえ押さえていればできる学習を際限なく繰り返すことに疑問と嫌気を持ちます。「教師の無責任な一言で失敗した優等生の大学受験」に書いたような、進学塾の授業に嫌気が差して、この塾のHPを見てくる生徒です。

一方で、その下の生徒では、すべてのパターンを暗記しきれるはずはなく、学習時間の割にそれほどでもない結果になります。

ともあれ、こういう学習に慣らされて公立高校に進んだ生徒は、進学塾でたたき込まれた「丸暗記学習」を高校でも繰り返そうとします。

その結果、どん詰まる

高校では、同じ様な問題に見えても、条件でさまざまに変化していく応用問題、グラフや作図で場合分けを自分で設定していかなければいけない応用問題には対応できず、偏差値65以上は取れないと言うことになるわけです。進学塾の丸暗記学習で神戸高校に行けても、こういうアプローチをして行ける生徒は少ないです。

と言うことで、「-1<x≦3の範囲でx^2+ax-5=0の最大最小」、「a≦x≦a+1の範囲で-x^2+x-5=0の最大最小を求めよ」というような、今回の高校1年生の期末テストの範囲の二次関数の応用問題の基礎の基礎が「ワケわからん」という生徒は、今の時点で国立大学は不可能です。

ということから、「進学塾の丸暗記宿題なんか無意味」と感じていた神戸高校でも上位2~3割のレベルにいないと神戸大学には進めない、御影高校では上位1割にいないとムリという冷徹な進学実績が出るわけです。

私の塾で「マジで国立大学を目指すなら、クラブ活動も辞めて死ぬ気で勉強せぇ~!」と言うのは、この問題を今の段階でキチンと理解できる生徒、丸暗記学習ではなく、学習のポイントを押さえられる生徒に対してです。

それ以外の生徒には「クラブ活動してもエエから、英語と古文中心に毎日キチンと塾で予習復習して関学目指そうな!理系は無理やで。」って言っています。

中高一貫私立でも同じです

もちろん、中高一貫校でも同じです。こちらは、中学受験塾で、理解力もない児童に丸暗記学習をさらに長期間強烈に刷り込まれたんですから。未熟な児童に無理強いした成れの果てと言ってもいいでしょう。

そして「国立大学に進むには?/進学校で浪人が多い理由」にも書いた通り、中学に入って見ると、進学塾より難しい学習を凄いスピードで放り投げられて、丸暗記なんかできるはずもなく、理解も出来ないまま授業は進まれて、理解不足だけが積みあがる。

あれほど金を使って、子供に無理強いした中学受験で勝ち取った進学校で学力は上がらず、結局は中学受験塾で程々に頑張り、大学付属校で遊び惚けた連中と同じ私立大学に進むことになる。

私の結論

中学や高校受験を目標に生徒を叩き上げすぎると、そのしっぺ返しは高校で来ることが多いです。中学の学習は丸暗記でしのげるんですが、高校では無理だからです。神戸高校や六甲クラスの進学校に進んでも、有名国立大学なんか上位3割しか行けないんです。

だから、進学塾で丸暗記学習に全てを捧げて必死で滑り込んでも無意味なんですよ。こういう進学校でも真ん中で関学、下位にいれば甲南大学にも行けません。

それなら、高校受験なんか程々にして、御影高校に楽勝に進んで少しマシな成績を楽勝で取って、関学に進む方が数百倍賢い。進学塾で丸暗記学習に命を削るなんて、大学受験まで見定めればなんの意味もありません。

上位の国立大学に進む生徒は、「進学塾の繰り返し暗記学習なんかアホらしくてやってられるかい!」というような、楽勝で神戸高校に進む生徒です。「教師の無責任な一言で失敗した優等生の大学受験」のような生徒です。丸暗記で神戸高校に何とか進んで、丸暗記学習で高校の数学にトライしようと言うような生徒は、絶対に国立大学には届きません。断言します。絶対にムリです。

中学受験にしたって、親がリビングで見張って勉強をさせないでも、子供が自分で適当に頑張って六甲や海星を上位で受かって国立大学に進める生徒以外は無意味です。だって、優秀な半数の生徒が中学受験で抜けて、その他の半数でぬるい競争をする公立の上から2番目の御影高校で少しマシな成績なら関学には行けるんですよ。何で小学校から必死になって、塾と私立に莫大な金を払って、ソコソコの私立に行って、ソコソコの成績で関学に行く必要がある? 子も親も苦労するだけ損です。

ホームページはコチラ

芦屋で500人以上、個別指導20年のベテラン講師が、毎日・全教科、中学生と高校生を指導します。御影高校・神戸高校、関西学院・同志社・神戸大学・大阪大学を目指す特進個別塾です。