新しい通知簿について/「デキる感」のアピールは成績に重要?

通知簿の内容

公立校の通知簿では、以前とは違い3つの評価項目に減っています。その評価項目も、「知能・技能」「思考・判断・表現」「主体的に学習に取り組む姿勢」と、以前の通知簿より不明瞭になっています。詳細は文科省の資料「令和元年度地方協議会説明資料」の42ページから記載があります。

「知能・技能」 にはペーパーテストで事実的な知識の習得を問う問題と,知識の概念的な理解を問う問題とのバランスに配慮する。知識や技能を用いる場面を設ける、とあります。要するに、テストで暗記問題と実験や資料問題の出来を評価するということです。

「思考・判断・表現」 は論述やレポートの作成,発表,グループでの話合い,作品の制作や表現等の多様な活動を取り入れる、となっています。実験などのレポートの内容ことです。

「主体的に学習に取り組む姿勢」 にはノートやレポートの提出濃霧、教師による観察などが評価されます。

教師の主観が反映されるのは?

もちろん、最後の「 「主体的に学習に取り組む姿勢」 です。授業態度が悪かったり教師に反抗的だとこの項目が下げられ、通知簿の点数もワンランク下がります。教師のこのフリーハンドを保証するため、この項目は依然の通知簿のままです。

1学期の期末テストで見えてきたこと/予想外の出来事

芦屋の別の公立中学に通っている同学年の子供が塾にいます。学力は似たような感じです。テストの点数では、片一方が少しいいくらいで大差はありません。テスト内容も平均点もそれほど大差ない。

ところが、通知簿が全く違ったんです。正直、私も唖然とするほど違う成績が付けられていました。

両生徒とも、教師に反抗的でもなく、提出物もキチンと出しています。 「知能・技能」「思考・判断・表現」「主体的に学習に取り組む姿勢」 に大差はありません。その結果生じた通知簿の格差に私は少し唖然としてしまいました。

私が教師なら、ほぼ同じ通知簿の点数をつけるはずです。悪い成績が付けられた生徒がなぜこうなったのか、理由に悩みました。親御さんにも申し訳ない思いでいいっぱいでした。

理由を考えて行きついた先

でも、今後の対処のため理由を考えても分からなかったんですよ。この両方の生徒は成績をもらった後に塾に来る日が互い違いになっていたんですが、昨日両名とも初めて揃って、目の前で子供を直接見比べて、その原因が分かった気がします。

この二名の最も大きな違いは、字のキレイさです。一方は硬筆の有段者でしっかりとした字を書きます。もう一方は、理系の典型ともいえるデッサン力のない字です。それはそうでかまわないんです。読みにくい字など私と同じく学校の先生も慣れっこだと思うんです。何よりも、理系の私も同じような系統です。

ただ、この生徒の問題点は、きたない字でもいいから相手に分かってもらおうと明確に書かないところなんです。だから採点する方の心証が非常に悪い。これも何度も、何度も指導するんですが、なかなか直らない。

それで、読む気がなくなるような字で書いているレポートや宿題の評価が下げられたんじゃないかと思うんです。

もう一つの理由

成績の良かった方の生徒は、私が指示した課題を終わると、必ず「終わった。次は何をする?」と明確に聞いてきます。もう一方の生徒は、やることが終わっても呆然としていて、こちらが声をかけるまでは何もしません。別にサボろうとか思っている子供ではないですし、キチンと理解して学習しているんです。分からないところや問題点を根掘り葉掘り聞くと、キチンと答えてくれます。

でも、子供の汚い字に慣れている私でさえ読み切れない字を書きボ~っとしている子供を見ていると、パッと見は「コイツ、大丈夫かな?」って感じると思うんです。

だって、学校の先生にとっては、この生徒は教え子の中で百分の1以下の存在です。私の塾のように、毎日10人程度の生徒を2時間も3時間も付きっ切りで教えて「ホンマはコイツこういうやつやねんな。」とまで生徒と話をしているわけではない。だから、私のように「この字って理系か? まあ、なんとか解読してみると英文もキチンと式も書いてるし、ボ~っとしているように見えるけど、話をほじくり出して聞くと理解できているから、コイツのキャラやねんな・・」とまでは見ていないとおもうんですよ。

成績を上げるには?

両者の通知簿を見ていると、テストの点数が明確に通知簿に反映されていることはないように思えます。以前の評価項目が4つあった時よりも、評価項目が減って各項目で総合的な評価ができるので教師の主観が大きく入り込む余地ができたのではないかと感じています。

そこで重要なのが、各生徒をじっくりと観察する暇がない教師に「デキる子感」のアピールをする重要性です。チラ見しかしていない教師には表面上の印象が大切なんだと思うんです。その印象が以前より総合的に評価される通知簿に色濃く反映されているような気がします。

上にも書いたように、汚い字でもしっかりと書く。受け答えは明確にする。自分自身で「賢い感」をアピールすることが、成績の良かった生徒に比べて、成績が悪かった生徒は圧倒的に下手だったんです。

私にはそれ以外原因が思いつかなかったです。本来の学力や資質で考えると、大きな差はつかないはずです。

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芦屋で500人以上、個別指導20年のベテラン講師が、毎日・全教科、中学生と高校生を指導します。御影高校・神戸高校、関西学院・同志社・神戸大学・大阪大学を目指す特進個別塾です。