高校生の数学 高3の学習 スケジュール管理が命
3年生で数学を勉強するということは、理系か国立文系かということです。
まず、前回お話したように、チャート式などの基本問題集を終えて、入試問題集で関学レベルの基本問題を解けている生徒は、難易度を上げていけばいいだけです。もちろん、その難易度は志望大学によって違ってきます。
京大や阪大の難問奇問対策よりセンター入試の対策を
国立大学志望者は夏休み前に神戸大学クラスの標準的な国立大学の入試レベルの数学には対応できているのか、できていないのかで違うでしょう。夏休みに必死にこのレベルの問題を解いているのなら、文系であれば神戸大学か大阪大学です。理系であれば大阪大学の偏差値が上の方の学部は無理だと思います。
京都大学や 理系で大阪大学やを狙うのであれば、こういう大学が出す「奇問」対策をする必要があります。まあ、最上位とか医学部に行く連中以外は解けないので、理系でもそう難易度が高くない学科を狙う場合は、そんな学習の前に上の段落で書いたように「標準的」な入試問題を解けるようにしていきましょうね。でも京大や阪大の上の方だと、部分点でも取れればとみんなやるんですよ。センター入試でも二次の英語でも最上位は差が付きませんから。チャレンジする価値があるかどうかは、河合塾ではなく、「駿台」の模試で「あんなもん、誰が解けるって言うねん!」って言っていないという明確な基準がありますので、「駿台の模試は難しくて解けない」という並の阪大と神戸大では止めておいたほうがいいです。
私は下手にこういう問題に手を出して自己満足して、センター対策で副教科対策を怠ったりすることのほうが怖いです。二次の土俵にも上がれないですから。どうせほとんどの学生には解けないんですから、みんなが解けるレベルの問題を確実に解ければ、結局はセンター入試の得点で決まるというのも真実です。二次でこういう難問の部分点を取るために膨大な時間を費やしても、問題によっては報われるかどうかさえ分かりません。センターの副教科の暗記や基礎問題対策を怠ってまでやることではありません。センター入試など9割以上取っていて差がつかない最難関の医学部などを狙うのでなければ、あまり手を出さないほうが良いと思います。
偏差値70以上は難問奇問対策も挑戦しましょうか?
昔から京大や阪大は、この手の難問を出し続けますが、奇問を解ける「学習障害があるほど理系」的なごく一部の生徒を取るために、難問を解けない9割の生徒を結局はセンター入試の得点頼りで決まるという愚策を続けています。そんなに「天才」が欲しければ「数学オリンピックの得点を二次の点数とする。」でいいと思うんですけどね。難しい問題を出して満足している大学側の自己顕示欲なのだとしか思えません。
なお、この手の奇問を味わいたければ、こういう問題を集めて関心を買うyoutubeの有名なチャンネルもありますから、一度ご覧あれ。 https://www.youtube.com/channel/UCye8PYMLvXg-h48lTPFwb2w 後、数Ⅲの積分ならコイツですねぇ。 https://www.youtube.com/channel/UCqmWJJolqAgjIdLqK3zD1QQ
私の時代に数学の得意な生徒が「大学への数学」という雑誌を買って得意がっていたのとほぼ同じノリですねぇ。 大抵の高校生はなんでそう考えるのか以前に、説明自体がわからない「オタク」の世界です。まあ、R(偏差値)68ぐらい指定です。いい子は見ないようにしましょうね。 この番組を高3の夏休みに見て、「説明自体を説明してくれ!」というのなら、「これから頑張って京大」はムリです。阪大の理系もちょっと・・。理系なら素直に神戸大に行きましょうねぇ。でも最近ネタ切れか、視聴者からの反発のためか、簡単な問題が多くなっています。去年の問題を見て「オタク」を味わって下さい。まあ、こういう番組があれば、「京大・医進コース」なんていう予備校に高い授業料出して行く価値はもはやないですねぇ。予備校の講師なんかでは足元にも及ばないくらいの解説をしていますから。こういう講師に当たるのなら、予備校は価値があります。そんな講師はいないから、このチャンネルが人気があるんですけどね。
9月後半からはセンター入試対策中心
9月後半からは、こういう二次対策も数学や英語などでやりつつ、7割方センター入試対策をしていきます。まあ、過去問を解くこと、国語で選択肢の選び方を勉強すること、副教科は過去問解きながら復習し直すぐらいなんですけどね。でも、センター入試対策は十分に時間をとってやります。センター入試がダメなら、志望校下げないといけませんから。センター入試は設問は簡単なんですが、 短時間で多くの問題をさばいていくという「慣れ」 が必要なんです。 特に数学なんか、焦って計算ミスを一つでもしたら、その下の解答全部✗になリますから。 だから、みんな10年分ほど過去問をするわけです。結構時間が必要です。毎日2教科過去問して解答確認しても1年分で4~5日、10年分で2ヶ月近くかかります。
それに、副教科の見直し、現代国語の独特の選択肢対策など合わせてしていれば、3ヶ月なんてすぐに過ぎます。だから「3年の夏休みに数学と英語の基礎固め。2学期から入試問題にチャレンジ!」と言っているようでは、国立大を現役で受かるなんて到底無理なんです。
1月の半ばにはセンターの得点で志望校も確定しますので、センター後は志望校の特徴を見て大学別に対策を打ちます。と言っても過去問をして、その傾向から 「毎年、数列とベクトルのややこしいのが出る。苦手。入試問題集やり直そ。」に始まり、「整数の奇問が出るから、赤チャートやっとくか」ぐらいしかやることはありません。最近では、それに加えて上に揚げたyoutubeですね。でも、何度も書いていますが、後ろの方の対策をしても、大学側も自己顕示欲にかけて同じ傾向の問題を出すわけではないですから、新傾向の問題では部分点でも取れたら運が良かったと思うしかない学習です。「学習障害があるほど理系」「数学は偏差値70以上しか取ったことがない」じゃないと報われないと思います。
3年になってチャート式にかじりついている生徒は国立は諦めよう
3年生になってまだ黄色や青のチャートをしている生徒は偏差値が50台だと思います。上にも書きましたが国立大は諦めて素直に私立大学に進んで下さい。学校で「センター入試もあるから古文も社会も」って言われても乗っちゃあダメですよ。そんなことしてたら、得点差が開く数学の勉強時間なくなちゃいますからね。行ける大学にもいけなくなりますよ!まあ、数学に注力して青チャートがなんとかなって、秋口から入試問題に取り組めれば関学くらいならなんとかなります。でも、そこで「やっぱり国立!」はないです。上に書いたように、スケジュール的に無理なんです。もしどうしても国立というのなら、浪人して下さい。