教師の無責任な一言で失敗した優等生の大学受験
優秀じゃなかった優等生
「指定校推薦の闇/教師の復讐」で書いた、優等生の受験失敗版です。
この生徒は本当に努力家でした。私が教えた中でもピカ一です。この生徒は、中学時代に進学塾に通い、膨大な宿題と予習中心の授業で成績が全く上がらず、3年生になる春休みに私の塾にきました。通知簿はほぼ4です。
ところが、この生徒数学が特に苦手で、私の塾に来たときは%なんかの単位計算もできていなかったんです。予習中心の塾で引っ張り回されて、自分が何を出来ていないかも分からず、そのできていないことをゆっくり復習する時間もなかったからです。
それで、私の塾で基礎から学習しなおし、1学期の期末から90点を連発し、通知簿はオール5になりました。これは、私の塾でも、特別な成功例です。みんなこういくとは限りません。
因みに、この生徒に春休みに小学校の復習をやらせた時以外、テスト・入試前を除いて、塾から宿題を出したことはありません。塾のHP「中学生の指導」の通りです。
頑張り抜いた優等生
しかし、この子は神戸高校には進みませんでした。進学塾の苦い記憶から、生徒に勉強を丸投げする傾向がある神戸高校を恐れたんです。それで、兵庫高校の文科系の進学コースに進んだんです。
私も、そこでは真ん中少しかな?と思っていたんですが、この生徒、クラブもやらず、数学と英文法で私の塾で予習中心の学習を続け、定期テストでは学年でトップ、模試でも学年で10数番くらいにいるという、私も信じられないような快挙を1年の半ばから3年まで続けたんです。これは、私の塾でも、例外的なほどの成功例です。
けれど、彼は毎日塾で3時間、英語と数学の勉強をして、家に帰って学校の復習をし続けました。凄い努力家です。
私の努力を踏みにじった教師の一言
私は3年以上毎日3時間間近で見てきた彼の学力から、受験校は「大阪大学」か「神戸大学」だと確信していました。もちろん模試でもそういう結果が出ています。彼には京都大学はないと言い続けました。なぜなら、彼はどちらかというと愚鈍な秀才で、目を見張るほどのサムシングがなかったからです。だから、ベネッセの模試はいいい点数を取れても、駿台模試では壊滅するんです。このサムシングがない生徒は、京大や医学部には行けないんですよ。
ところが、高校の教師は、模試の結果も見ず、定期テストの学年順位だけから「京都大学」と言ったんです。彼は、その言葉に舞い上がって、志望校を京都大学に変えました。そして3年の夏休みに、京大対策の整数問題などに全力を費やしたんです。
私は散々「ダメだ」と言ったんですが、京大の魔力にすっかり取り込まれた彼は聞く耳を持ちませんでした。もちろん、そうなった以上、私も一生懸命教えましたよ。でも、この生徒には京大の数学は荷が重すぎました。
で、センター入試の結果・・
そして、9月の半ばからセンター入試対策をはじめ、センター入試では8割代後半を取ってきました。判定は阪大OK、京大×です。
私の思っていた通りです。そこで、彼は阪大に志望校を変えたんです。ところが、問題の傾向とかが違い、前期入試までの1ヵ月で何ともできずに、模試でもセンター入試の結果でもOKだと判定されてきた阪大を落ちたんです。
で、神戸大の後期で何とか引っかかったわけです。
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無責任な教師の言葉におだてられ、あるいは下げられ、進路を誤ることがないように。正直言って、私は高校の教師のまともな進路指導をあまり聞いたことがないんです。
私は手塩にかけて育てたこの高校生の進路を、たった10分ほどの3者面談の軽い言葉で間違いに導いた、このクズ教師を本当に恨んでいます。