塾経営者が考えるリモート学習の否定

学校や塾のリモート学習は可能か?

それは生徒によります。自分で学習を進めていく力も向上意欲もある優秀な生徒なら、リモート学習はOKです。というより、優秀な講義を聞くだけの録画済みのビデオ授業で十分ですし、最近は無料でyoutubeでも予備校など必要ないくらいのものが配信されています。これなんかです。

解説が秀逸です。入試問題集の解答を板書するだけの並の予備校の講師とは違います。

けれど、並みの生徒ではリモート学習なんか無意味であると考えます。それは、学校や塾の第一の仕事は、このyoutubeのようなメソッドを教えることではなく、子供の学習を管理することだからです。

集団式の学校や塾の授業の代わりにはなりえる

板書中心の授業で、面談など1学期に1回というような集団式の塾や学校の授業なら、別にリモートでもビデオでもいいと思いますよ。教室でもボケ~っと聞いている生徒をいちいち指導することもないですし、4か月に1回20分ほど生徒と個人的に話すだけではその生徒の本質も分からないし信頼関係も築けない。そんな授業や教師との関係なら、リモートでもOKです。

また、上のyoutubeのような学校の集団授業では学ばないような特別なメソッドが欲しい一部の生徒は、別にボケ~っとして怒られることもないし、進路に教師のアドバイスも必要ないでしょうから、ビデオでもリモートでも別にかまいません。ネットを通さなくても、参考書で十分なわけです。上に上げたyoutubeのような難問奇問対策をしたければ、「大学への数学」や「モノグラム」でも買えばいいんです。

でも、本当の個別指導の代わりにはなりえない

ところが、放っておいても上位の国立大学に進むようなトップの1割を除く、9割の生徒は教師や講師が「なにやってるねん!」「次にテストは来週なんやから、今週中にここまでやっとかなあかんのと違うの?」というように、面と向かって圧力をかけなければ矯正できません。時には「キミの志望校のことやけどな、お母さんの言う通りでエエんか・・」と顔を突き合わせて話す信頼関係も必要なわけです。

これは集団授業の学校や塾では不可能なことです。だから、補習塾は個別指導が一般的になってきているんです。ところが、普通の個別指導は講師がアルバイトの学生ですから、週2回顔を突き合わせる間柄でも、そういうアドバイスを出来る能力も経験もありません。そういう現状は、個別指導に行かれた経験のある方ならよくご存じかと思います。それに、補習塾レベルの生徒は教えたことが左から右に抜けるだけで成績などなかなか上がりません。でも頼りの教室長の仕事は、成績を上げることより、生徒と大学生が友達関係を築いて、成績を上げなくても退塾させないようにすることです。「個別指導塾の長所と短所」に書いた通りです。

だから、そういうユルい個別指導より、さらにユルユルになるリモート授業など、9割の生徒にとっては「野放し」にするようなもので、メリットはないどころか、成立もしません。

世の中でリモート学習などと叫んでいる奴とは?

ネット関係の利益受益者、あるいは放っておいてもやる上位1割の優秀な人間に囲まれた大学の先生や大企業の人間だけだと思いますよ。その他の学校も塾も企業も、保護者さえも「野放し」を恐れていると思います。コロナが流行り出した時に「リモート授業に切り替えましょうか?」と私が塾の生徒の保護者に相談したところ、全員「ダメ」とおっしゃいましたから。

鉄緑会のような特別な進学塾以外で「リモート授業です」なんて言ってる塾は、生徒を管理する気もなく、時流に乗って生徒集めをしたいだけです。というより、その時流とはマスメディアに乗って流される浮ついた流行であって、保護者の本当の「時流」でも「ニーズ」でもありません。

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芦屋で500人以上、個別指導20年のベテラン講師が、毎日・全教科、中学生と高校生を指導します。御影高校・神戸高校、関西学院・同志社・神戸大学・大阪大学を目指す特進個別塾です。