冬休み明けの恐怖/甘やかされた子供たちが欲求不満を爆発させる
冬休み・正月明けにしばし起こること/学習の拒否
もちろん成績の良い生徒や受験生の話ではありません。高校生でも起こったためしはありません。これは、まだまだ子供の中学1・2年生で時々起こることです。
正月が明けると、突然「もう塾を辞める」と言う生徒がたまにいます。そういうことを予見できていた生徒ならこちらも覚悟はしているのですが、まったく予想もしない生徒がこうなると正直こちらも焦ります。
理由はただ一つ
今年は少なかったでしょうが、お正月に祖父母の家に行き甘やかされ放題になり、「正月くらいは」と親も子供の好き勝手し放題を容認します。子供はお年玉をもらい、面白い正月番組をテレビで見て、ゲームし放題で、おまけにご馳走まであります。自分達が日頃思い描いていた欲求がすべてかなえられる状態が、4~5日続くわけです。
学校より早く始まる塾が夢を現実に引き戻します。それで、その夢と現実の区別ができない中学1・2年の子供が、塾を拒否するんです。「今までは辛抱してきたけど、もう絶対嫌やぁ~」となるんです。
この「嫌やぁ~」は夏休み明けより、正月明けの方が圧倒的に多いです。やはり、クリスマス・正月・お年玉・ご馳走など、正月の方が子供にとっては非日常なんだと思います。
丁稚奉公の意味が分かった
昔は丁稚奉公と言う制度があって、この中学1・2年生くらいの子供を雇う場合には親元から離して、住み込みで働かせたわけです。それも、休みもほとんど与えずに、盆と正月くらいしか親元には返しません。正月など、大みそかに帰ったと思えば、鏡割りだなんだと理屈をつけて3日には親元から戻ってこさせます。なるべく親に甘やかされるような状態を作らなかったわけです。
今からすると児童虐待ですが、私は塾を始めてこの制度の意味合いが分かったのです。安月給でなるべく働かせようという魂胆より、親元に返すと上に書いたようなことが起こって日常生活に復帰できない子供がいるからではないのか?と今では思っています。
だから、日常生活をある程度キープさせることは大切
自分から頑張っているように見えても、本当は意味も分からずに頑張らされている子供では、正月休みのような些細なことで、その欲求不満が爆発することがしばしばあります。
私の経験からは、「成績が上がらない子供の暗記・・・写経に挑戦」「思考と努力の跡がないノートなど無用/まとめノートなど成績不良の証」のような学習をして、机の前に座っている割に成績が悪い生徒は要注意だということです。ですから、こういう子供には、ある程度の辛抱を常に強要する必要があります。丁稚奉公と同じ理屈です。
もちろん、本当に自分から頑張っている子供には、そのようなことは必要ありません。正月休みくらい存分に甘やかせばいいと思うのです。