私が見た最悪の学校指導・・中2で青チャート、高3で白チャートを教える進学校
進学校の授業ペース
私の塾に以前通っていた大阪の進学校の生徒のお話です。進学校と言っても、そんな上位の進学校ではありません。私の感覚で言えば、神戸高校と同じか少し下です。トップクラスで神戸大か阪大、真ん中なら関学がやっとという普通の高校です。
御多分に漏れず、そのレベルの生徒を集めると中学の簡単な学習など2倍のスピードで進めて中2の夏に終わらせても生徒はついて行くんですね。ところが、このレベルの生徒でも高校の学習は難しく、結構落ちこぼれます。そこで、学力別クラス別編成にして、下の方のクラスでは高校卒業までの残りの4年半をゆっくりと余裕を持って教えてあげればいいのに、みんな一緒に中学同様に凄いスピードで授業を進めるんです。これも、ご多分に漏れず、どの中堅クラスの進学校でも同じです。
当然、公立高校の授業ペースくらいではついていける生徒も含め、半分くらいの生徒が落ちこぼれます。これが、よく私が「下の方の成績で進学校に放り込むくらいなら、公立でのんびりやっていた方がよほどいい大学に進める。」ということです。「進学塾や進学校の生徒が抱える学習問題・・根っこは親です」「進学校の生徒が普通の高校の生徒に追いつかれる理由」に以前書いた通りです。
驚くべき進学校の授業内容
それで使っている教材は、中学2年生に青チャート丸投げです。青チャートというのは、神戸高校や御影高校で使う結構難しい問題集です。その下の中堅の公立では黄色チャートというその下のクラスを使います。当然、優秀だと言っても多くの中学2年生の手に負えるものではありません。その上、速い授業ペースにゆっくり復習する時間もなく、どんどん授業は進まれて、高校の学習を一通り終える頃にはにっちもさっちもいかなくなっています。
そこで、こういう進学校では何をするのかというと、高校の学習を終えた2年生では、さらにこういう落ちこぼれている生徒にもより高度な入試問題集を投げつけてくるわけです。問題に何が書いてあるかも分からない子供は無抵抗で殴られ続けているようなもんです。やる気も根気もすっかり失って灰になった状態で受験期の高校3年生を迎えます。
そこで、この最悪の高校、何をやるのかと思えば、数学を取っている下のクラス、私立理系や国立文系のクラスあるいは特進コースと呼ばれるクラスで、やおら白チャートを配ったんです。白チャートというのは、教科書より易しいぐらいの問題集で私の塾では中堅高校の生徒の予習用に使う問題集です。この問題集を配っている高校は見たことがありませんでした。やっていること、完全に真逆です。中学生を白チャートでゆっくりと教えるべきなんです。それで、高2の後半で入試問題集を投げつけ、全力で尻を叩くべきなんです。
白チャートでないと3年間無為に過ごして学力の身に付いていない高校3年生は出来ないし、学習に嫌気が差して灰になった生徒ではやる気も起きないこを当然学校は知っているんですよ。学年で1割ほどの生徒の進学実績を出すために、半数以上の生徒の将来を平気で潰すんです。さすがに高校3年生で白チャートだけできても甲南大学にも合格できませんよ。
これが進学校の下半分の驚くほど悪い進学実績の典型的な原因です
何度も書きますが、中学受験に邁進している親御さんは、この現実知ってるんですかね? 学校が宣伝する上位の生徒の進学実績だけに舞い上がって、「この中学に入れたら神戸大!」くらいしか考えてないことが大半なんじゃないですかねぇ。どうにもこうにも行かなくなった高3になって、成績上位でも関学なんかなかなか行けない中堅公立高校でさえ使わない簡単な問題集をやりだすんですよ・・・知ってました?
4年間無為に過ごして基礎学力もなく「灰」になった生徒を塾に連れてきても、もう手遅れですからね。本人がすっかりいじけて、もうやる気を失ってますから。そういう生徒に、「学校の成績を何とかしてくれ」と言われても、1年弱で塾にどないしろと言うんでしょう?
六甲クラスに上位で進めない小学生は付属校の受験以外選択肢はない
私は明言します。六甲クラスに上位で進めない小学生は、中学受験するのなら付属校に放り込むべきです。他に選択肢はありません。六甲クラスの進学校に無理くり入れても、良くて関学です。下手をしたら、苦労するだけして、いじけて、甲南にも行けませんよ。
倍率の高い付属校の中学受験に失敗しても、受験で基礎学力は鍛えられているんだから、公立に行って勝負すればいいんです。御影高校くらいはいけますよ。中学・高校とクラブを楽しみ、友達とも十分に遊び、ソコソコ優等生で笑って関学や甲南に行く方がよほどマシです。御影でクラスで10番くらいにいれば関学には進めます。