塾講師が一番疲れる子供 中国の領土拡大を熟知する子供たち

大人と根競べをする子供

今の子供は、昔の子供に比べて親の過干渉下にあります。ですから、最近の多くの子供の最大の命題は、親とどう折り合いをつけていくかということにあるわけです。

そこで、ここしばらく私が困っているのは、大人と駆け引きをする子供が増えてきたことです。親がうるさく言うものだから、その時は首を引っ込めて従順に言うことを聞くんです。そうしないと、余計に面倒なことになりますから。

ところが、親もいろいろすべきことがあって、子供にだけ関わっていることはできません。親の警戒や関心が薄れたころを見計らい、また元の自分やり方を試します。そこで親が怒ると、また首を引っ込め、親の警戒が薄れるのを待って、また少し自分のやり方を試す・・・これを繰り返すわけです。そして、親が疲れ果て諦めるのを待つんです。

何度も攻め入っては少し相手陣地を取って、ほとぼりが冷めたらまた攻め入って少し陣地を取っていく。時には相手に友好的な姿勢を見せ、取られた方はそのうち諦めるという、時間としつこさを戦力とする中国の領土拡大のような戦法です。

こんなことになる原因

最初は、だらしなさや、習慣から何度も怒られることを繰り返しているんですが、そのうち親は諦める・・・こういう経験から子供は上に書いたような陣取り合戦を学んできたんだと私は思っています。親が色々とやらなければいけないことがあるのに比べて、小さな子供は親との関係性がほぼすべてですから、そこに全エネルギーを集中してきます。親はそのエネルギーに太刀打ちできないわけです。

「この子はだらしなくって」と塾に連れてくる生徒の多くはこういう生徒です。子供が一人や二人しかいない親が十年以上育ててどうにもならないんです。多くの生徒の面倒を見ないといけない塾に放り込んで何とかなると思いますか? 「字が汚いのと式が汚いのは違う」に書いた通りです。

塾で陣取り合戦をするような子供は成績は上がりません。

アイツらは、塾でも同じように、陣取り合戦を始めるんですよ。講師が注意をしても反抗することはありません。その時は言うことを聞くんです。ところがいつの間にか元に戻している。そんなことを何度も繰り返し、テストでろくでもない成績を何度も取ってきて、塾の講師が音を上げるのを待っているんです。

塾の講師はいろいろな生徒の面倒を見ないといけませんが、生徒にとってはターゲットは講師だけです。そこに「サボるためのエネルギー」「熟練した陣取り戦法」を全力投入されたら、どんな講師でもかないませんって。

進学塾や進学校の成績が良い理由・・デキない生徒の成績を上げるムリゲーはしていないだけ

簡単です。教える内容など知れています。私の塾は他の塾から移ってきた生徒が多いですから、どの塾でどんな授業をしているかある程度知っています。進学塾で特別な指導があって、成績が良い生徒が多いと思っている保護者が多いですが、それは根本から間違えています。進学塾の進学実績は上位クラスに集まった生徒だけが作っています。進学校では、上位の生徒の進学だけを考えた授業で多数の落ちこぼれを出しながら、有名大学への進学実績を上げて宣伝しているだけです。

だから、進学塾も進学校も、どんな授業をしても勝手に勉強して成績を上げてくれるキチンとしたデキる生徒が進学実績を出しているだけの話です。要するに、陣取り合戦をするような生徒は放っておけばいいんです。どうせ教えても成績は上がらないんです。疲れるだけです。親には「大丈夫ですよ~。ホラ、宿題もしています。」って解答丸写しの問題集を見せておけばいいんです。そうすれば、上位の生徒の進学実績に目が眩んだ親が生徒を入れてくれて、売り上げは確保できるんです。成績下位の生徒が落ちこぼれようが、受験に失敗しようが、進学塾も進学校も痛くも痒くもないんです。だから、「私が見た最悪の学校指導・・中2で青チャート、高3で白チャートを教える進学校」やのようなことが起こるんです。

大企業の社員が優秀なことが多いのは、企業の教育や人事制度の賜物ではなく、優秀な人材を採用できるからです。そこにFランク大学の人材がコネで入ったところでどうにもならないんです。それと同じです。

ホームページはコチラ

芦屋で500人以上、個別指導20年のベテラン講師が、毎日・全教科、中学生と高校生を指導します。御影高校・神戸高校、関西学院・同志社・神戸大学・大阪大学を目指す特進個別塾です。