公立中学通知簿3の学力は、塾では共有されている

これが通知簿3の典型的解答だ

この方のおっしゃる通りです。結構います。と言うか、公立中学の通知簿3では中学1年生が終わるこの時期ではこんなもんです。どの塾でも同じような悩みを抱えているんです。

なぜこんなことが起こるか

2学期に学習する方程式の2x+3y=(x+5y)/2で、両辺に2をかけて4x+6y=x+5yとする訓練が、普通の文字式の計算に上書きされて、過去の記憶が消えたためです。両辺が=で結ばれている方程式だから、両辺に同じものを掛けたり足したりできる理屈は、このレベルの生徒では頭にありません。解法丸暗記でおぼえているだけです。

そして、次にー(x+5y)をーx+5yとしています。分配法則ができていません。これも通知簿3の典型です。分配法則を教えても、計算していく中でやるのを忘れちゃうんです。理由は、教えても分配法則の存在を忘れていることが通知簿3の下半分。上半分では、分配法則はおぼえていても、四則計算にプラスして分配法則が並列処理できずに、目の前の計算で精一杯になってしまうからです。。

下半分の「すぐ忘れる」が、上の段落の分数計算に直結しているのはもちろんです。

イヤ、公立中学の通知簿3は普通でしょ? そんなわけないでしょ?って言う親御様、子供のノート見たことないでしょ? 大都市圏では優秀な子供のほとんどを占める半数が中学受験で私立に抜けます。絶対評価で、その残り半分の8~9割の生徒でも3がつく。こんな計算ができないのは当たり前で、テスト前に漢字もおぼえられない生徒に3がつくんです。

学習量・学習方法・塾の指導で解決はしない

今まで散々書いてきましたが、公立中学の通知簿3レベルの子供の成績を上げるのは難しいです。原因は学習にはなく、それ以前の本人の学習姿勢にあるからです。

ひとつ教えればひとつ忘れる生徒では、どれだけ準備してもテスト前日「これも、それも、あれも学習した記憶がありません。」と言われ、塾の講師が卒倒します。もちろん前日に必死で教えても、一晩寝れば脳ミソは初期化され、「塾で学習していない問題が出された。」と酷い点数を前に平気で親に言ってのけます。

それに、塾で訓練して訓練して訓練して、やっとできるようになった生徒でさえ、テストでは普段よりテンパっているため、並列処理が普段以上にできなくなって、分配法則全滅してきます。こんなことが全教科で起こります。テストが返ってきて、絶望しかない答案と点数を前に、「あれほど訓練して、やっとできるようにして、これは一体何なんだ・・・もうどうすることも出来ん。」と講師はうな垂れるしかなくなります。

これが「公立中学の下半分の落ちこぼれ感がハンパない/落ちこぼれた生徒の見分け方」「理解の壁/公立中学の通知簿3と4間に立ち塞がる途方もない壁」「公立中学や中堅高校・私立の生徒に必要なことは学習指導ではない」に書いてきたことです。

この状況を前に、学習塾では以下のことが起こります

・生徒が集められる有名進学塾では通知簿3の中学生は入塾させない。「通知簿3の生徒を採らない進学塾/その理由

・このレベルの生徒を入塾させないと経営が成り立たない塾では、下のクラスに放り込み、適当に教える。どれだけ熱心に教えても成果は出ないから、授業料徴収要員と割り切る。熱心さは教えれば成績が上がる上のクラスに取っておく。「進学塾に下のクラスで入る愚かさ/公立中学の学力と入塾基準

中学1年生の3学期でこんな計算をしている場合

成績を4に上げるのは難しいです。「キチンと話を聞く」「考えて学習する」と小学校でキチンと対処しなかった親の責任が大きいと思います。「中学受験をした生徒としていない生徒の差/埋められないほど大きい」「中学受験を利用して基礎学力を身につけよう!/指導不可能になっている公立中学の半数の生徒

目の前の解答を丸暗記しては忘れる安楽な学習とそれが許されてきた環境がデフォルトとなった反抗期の子供を、「頑張る」ステージに引き上げるのは本当に難しいです。大人の言うことを聞く小学校時に「キチンとする」ことを身につけさせなかった影響は、中学・高校と上に行けば行くほどひびいてきます。

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芦屋で500人以上、個別指導20年のベテラン講師が、毎日・全教科、中学生と高校生を指導します。御影高校・神戸高校、関西学院・同志社・神戸大学・大阪大学を目指す特進個別塾です。