教科書をラインマーカーで塗りつぶす公立中学の生徒たち/どこが重要か分からない生徒の成績を伸ばすのは難しい
中学1年生で漢字をおぼえられず、中学2年生で教科書をラインマーカーで塗り潰す生徒たち
「公立中学の皆さん」で書いているブログのように、失礼なことばかり書いているから、当塾で公立中学の生徒は激減しました。2割いません・・・。
でも、私が公立中学の生徒に差別意識や先入観を持っていることは一切ありません。塾の定員が満杯でも、素晴らしい公立中学の生徒が入塾したいと言ってくれたので、新しく机を買ってまでも入塾してもらいましたから。「定員を1名だけ増やしました/どうしても採りたい生徒が来てくれたからです」
けれど、一方で「小学校6年生は三角形の面積を求められるのか?/中学受験してない生徒の多くは求められません。」「理解の壁/公立中学の通知簿3と4間に立ち塞がる途方もない壁」に書いた基礎学力の生徒が多く、それは「成績が上がらない子供の暗記・・・写経に挑戦」「「成績が上がらない子供の暗記・・・カメラ・アイに挑戦?」のような学習態度に起因しているため、お引き受けできないことが多いです。
中学受験組が半数以上を占める小学校では、中学受験組の休憩場所となって、受験しない子供はダラケた状態がデフォルトになって、そのまま公立中学に突入するので、「暗記は凄く労力が要るからから嫌だ。」と言う状態になって、「テストでもなぐ書きで読めない字を書いて×になっても平気。怒られるのは一瞬、努力するより楽。」になっているんです。これが公立中学1年生の通知簿3です。判読不能な文字を書く生徒たち/公立中学1年生では半数近くを占める」
ところがその上の層、通知簿に4が多くなってくると、「漢字をおぼえるのイヤヤァ~」はありませんが、何を聞いても左の耳から入って右の耳に抜けます。呆然と聞いているだけで、自分の頭の中で整理し直して「ここがポイント!」「これはこうなって、こうなるから・・」と考えながら聞くことができないから、授業も説教もサウンドとして聞き流してしまうんです。
それで、この少しマシなレベルの子供では中学2年生になって、学校で授業を受けて塾でも解説した後に、社会の教科書を読ませても、何が大切か、なぜそうなっているのか全く把握できません。大切なところに線を引けと言うと、何が何だかわからないからすべての文章に線を引き、教科書がピンクやらイエローに塗りたくられます。
ここに書いている公立中学の実情は、ウソでも誇張でもありません。不審にお思いなら、一度社会の教科書にでもラインを引かせてみて下さい。
こういう生徒の成績を伸ばせると思いますか?
「漢字おぼえるのイヤヤァ~」はもちろん、教科書をラインマーカーで塗りつぶす生徒に、必死で、何度説明しても、すべて聞き流され、テスト前に「そんなこと習ってません。」「おぼえていません。」「忘れました」と言われ、私は卒倒することになります。「定期テスト前の恐怖/今時の普通の子供の学力」の通りです。
ここで信じられないのは、例えば計算問題を出来るようにし、応用問題を何とかできるようにして、テスト前に「念のために計算問題でも見直すか?」と計算させると、まったく計算できないんです。計算ができて応用問題ができるのではなく、まったく関連ない別のものとして解法丸暗記してしばらくしたら忘れるんです。それで、テスト直前に計算を見直している間に応用問題はキレイにお忘れになって、一晩寝るとその計算も何割かは忘れる・・・ということで、とんでもないテストの答案の前に私は脱力するしかなくなります。
もちろん、これは私の塾だけのことではなく、どこでも同じです。だから集客力のある進学塾は通知簿に3がある生徒は入塾させません。「公立中学通知簿3の学力は、塾では共有されている」「通知簿3の生徒を採らない進学塾/その理由」取らないと経営が成り立たない塾は、下のクラスに放り込み適当に教えて、一生懸命教えている証拠を親に示すために多量の宿題を丸投げします。「スイミングスクールと学習塾や進学校は同じビジネス手法です」
だって、塾の立場からしたらそうなりますよ。漢字をおぼえる気もなく、何を教えても左から右に抜ける子に精魂尽き果てて教えても、ほとんど成果など上がりません。上がったところで三流校への進学が二流校になるだけで塾の宣伝にもなりません。そんな子供に精魂尽き果てているのだったら、その精魂を上のクラスの子供に充てて一流校に進んでもらって集客するのが塾のビジネスってものです。
「よくそんな酷いこと書きますね!」とお怒りのお母さんでも、ご自分が塾経営したらそうするでしょう。何を教えても聞き流す他人の子供と心中して、自分の子供を路頭に迷わせることなどあり得ないです。
だから、「中学受験を利用して基礎学力を身につけよう!/指導不可能になっている公立中学の半数の生徒」と言っています。
生徒の入塾レベルを「教えられる生徒」にした結果、公立中学の生徒は減りました
ウチの塾では、漢字もおぼえられず、教科書にラインマーカーを塗り潰す生徒を誠心誠意教えてきました。手を抜かないでこういう子供を教えると言うことは、毎日指導をし続けるということです。でもね、そうしたらその圧に嫌になった子供は「あの塾分かりにくい」と親に言いだします。すると、漢字も書けない状態でどう指導しているかお知らせしているにもかかわらず親は「分かりにくいと言っています。」と辞めて行くんです。
こういう親の半数は本当に状況が理解できていません。「解き方さえ教えれば子供の成績上がるでしょ。何してるの、無能?」っていう親が半分、「子供が家で『あの塾イヤヤァ~』と文句を言うのがウザいので塾変えます。」と言う親が半数です。
だから、私もそういうご連絡を親御さんからいただくと、アッサリと辞めていただきます。だって、子供には呆れ果てていていても、私を信頼して預けてくれた親のために何か少しでも役に立てないかと、人一倍手がかかる上に成果も少ない子供を教えているんですから、その親から「信頼できない」と言われればそれまでです。「頑張れない子供の場合、私はお母さんのために頑張っているんです」
こういうことが続いた結果、入塾時に生徒を精査するようになって、公立中学の生徒は激減しました・・・といっても「バス停まで時速4キロで歩き、目的地まで時速50キロのバスに乗りました。目的地まで30キロで1時間かかりました。家からバス停までは何キロですか?」っていうような簡単な方程式の問題解かすだけなんですけどね・・・。ところがこれを半数以上の中学2年生は解けません。通知簿3ではまず無理です。3と4でも難しいでしょう。「進学塾に下のクラスで入る愚かさ/公立中学の学力と入塾基準」
それで、-1≦x≦2でy=ax+1を通り、最大値が3、最小値がー1のaを求めろ・・・なんて95%の生徒で出来ませんが、「aは正負の場合があって・・・」という解説をして「なるほど・・そらそうや。エエこと教えてもろうた。」と言う中2ならよろこんで採るだけなんですけどね・・・そんな生徒2割もいないと思います。でも、これが当塾の入塾基準です。これに「なるほど」と言わない生徒は、教えても苦労するだけだからです。
成績上位の生徒は集団方式の進学塾に通うので、私の塾の需要はない/でも進学塾の功罪は良く考えるべき
このような公立中学の実情を「今の公立中学の真ん中ぐらいの生徒では、こんな酷いです。正直お預かりできません。」と書き出してから、入塾ご希望の方も減りました。そりゃあ、親にしたら腹が立つことを書き連ねているんですから、仕方ないです。
でもね、別に私は嫌がらせのために書いているのではなく、「こんなことになる前に、なんとかしないと手遅れになる。」という気持ちで書いていることはお忘れにならないでほしいです。だから、「中学受験を利用して基礎学力を身につけよう!/指導不可能になっている公立中学の半数の生徒」と言っています。
まあ、このブログを読んでキチンと育てていただいても、優秀な生徒は全員集団方式の進学塾の上のクラスに行ってしまいますから、私の塾にはメリットはないんですけどね。でも、あまりにも酷い状況を、あまりにも多くの親が認識していないもので、ご自分たちが非正規労働者を養成しているとお分かりになっていない悲劇を少しでも何とかできればと思っているんです。
でも安易に進学塾に放り込んでお尻を叩いている方には「進学校や進学塾への誤解/何度も書いてきたことですが・・・」「進学校のどん詰まり/高校で分かる進学塾の弊害」「進学塾に下のクラスで入る愚かさ/公立中学の学力と入塾基準」などを一度お読みください。学習の理解より解法丸暗記を強いて1点でも得点を上げようとする進学塾の学習を身に着けて受験で成功体験を身に着けた生徒は、理解力がものを言う高校でも丸暗記学習を続けて、どれだけ努力しても成績が上がらない生徒が多いです。
そんな状態にして、ひとつでも上の高校に放り込む意味はなんなんでしょう? 進学校で落ちこぼれて大学受験に失敗するに決まっています。進学塾の丸暗記学習で5点上がった下がったで喜んでいる親は、中学受験や高校受験という目の前の受験がゴールになってしまっていて、本当のゴールは大学受験で、中学や高校など大学受験のためにあると言うことなど忘れておられるんです。