目の前の課題や目標しか見えない生徒が多すぎる/模試も入試も過去問題だけしておけばいいと思っている愚かさ

模試で過去問を学習する高校生

ここ数年の傾向ですが、高校では進研模試などの過去問をタブレットなどで配信して「過去問題を学習して、模試でいい偏差値を取ろう!」というようなことをしだしています。

高校生たちは、中間テストが終われば実力テストや模試の過去問題を解いています。ところが、その過去問題を解いて分からない問題では基本から学習し直し、その分野をマスターしようとする生徒などほぼ皆無で、分からなかかった問題の解説を塾でしてもらって納得して終わります。

基本的な考え方が理解できていない生徒は類題は解けませんし、同じ問題でも数日たって解法を忘れてしまえが解けません。ヒョロヒョロの体で大谷翔平のバッティングフォームの形だけを教えてもらったようなもので、素人のヒョロヒョロ玉にもカスリもしない状況です。

こういう学習をずっと続けているのです。基本から学ぶことを疎かにして、手っ取り早く目の前の成果に飛びつくことを繰り返して、結局は何も身についていないのです。だから机の前に座っている時間が長い割には、学力が身につかない子供が多い。

基本から学習ができない原因

学校や塾が、上に書いたように、安易に過去問題などを配ることが大きいと思います。過去問題を配って「対策」をさせておけば、成績が上がらなくても対面が保てるからだとしか思えません。

こういう環境に慣れてきた子供や親には、受験前に過去問題だけしておけば準備できたと思っている方が最近非常に多い。基本も出来ていないのに、どうして入試問題にアプローチして、そこから何を学べると思うのかも理解できていないこの安易さは何なんだろうと思います。

仕事でも、基本的な業務の理解や、その分野での知識なしに、「マニュアル」や「教育」や「システム」という論調が多いのと軌を一にしている。こういう仕事も出来ずに責任を「会社の教育」や「システム」に他責する若者に職場ではうんざりとしているはずなのに、こと自分の子供の勉強に関してはその若者と同じことを言いだす親が多い。

塾の苦悩

こういう子供に、「基本からできていないからできない。ここはこうなって・・・」と問題集の最初から学習させようとすると、「あの塾はよく分からない。」とかいう子供が多くなってきています。要するに解答を教えてパッと解決してくれる塾ではないと嫌なのです。また、最近では「漢字や単語は教えられて、ボーっと眺めておぼえられない。こういうへんとつくり、この発音でこう綴ると確認しながら書いておぼえろ。」などというと、「あの塾は負担が大きい。」という方さえもが激増してきている。

だから、学校も塾も基本から教え直すような補習などは組まずに、「過去問題をやりましょう。解答はこうです。」という授業を展開するしかなくなっています。

塾の苦悩を利用する子供たち

個別指導塾では、「こう学習しよう」と提案しても、いつの間にか学校の宿題などを塾に持ち込んで手っ取り早く教えてもらおうという子供が増えています。そして教えてもらった解答を書き込んで学習は終了です。宿題を塾に丸投げしているようなものです。塾で塾の学習をすると、家で学校の宿題をしないといけなくなるから、勉強時間が増えて嫌なのです。

こういう子供に塾で「そんなことをしていては・・・」と説教でもしようものなら「あの塾は分かりにくい。」と親に言い、親も状況も確認せずに「塾を辞めます。」と通告してきます。その際に「こういう状況で、塾で学校の宿題の解答を丸写しするだけでは・・」と説明して親も状況が分かったとしても、「でも、もう子供が嫌だと言っているので。」と退塾する方がほとんどです。

だから、子供に面倒な「基本から!」と言える学校も塾もなくなっているのです。

この基本学習からできる子供たちは関関同立は固い

少なくとも私の塾では塾の指導に従って基本から地道に学習する生徒では関関同立には行けます。少子化の上に学部が増設されている大学入試などその程度のものです。塾で学習内容とスケジュールを話し合い、塾の意図を理解して学習を進めてもらうだけでいいです。

そして、それが中途半端になるこどもが産近甲龍です。学校の宿題を塾でしてさっさと帰る子供は産近甲龍も無理でしょう。

「塾では基本からしっかりと学習しよう!」こんな当たり前のことを子供や親に言えない時代になってきています。

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芦屋で500人以上、個別指導20年のベテラン講師が、毎日・全教科、中学生と高校生を指導します。御影高校・神戸高校、関西学院・同志社・神戸大学・大阪大学を目指す特進個別塾です。