せっかく慶應・理科大に入ったのに大学生の「塾通い」が急増 付属・推薦入試増大の結果
まず、大学生の塾通いと言っても資格取得などの塾や専門学校に通う将来を考えた真面目な大学生が増えたということではありません。大学の授業、特に理数系の授業についていけなくて単位が取れないから、塾に通って基礎学力を身に着けようとする大学生が慶應や東京理科大のような上位大学でも増えているという記事がありました「せっかく慶應・理科大に入ったのに…大学生の「塾通い」が急増。合格後に待つ“まさかの落とし穴」。
大学生が高校生用の学習塾や予備校に通っている理由
この記事によると、インタビューを受けた塾では4割が大学生の学生で占められているそうです。学生は理系が圧倒的で、文系では経済学部が多く、数学の授業で落ちこぼれているということらしい。
理由としては、まずコミュニケーション能力に不足している学生が増えていることを挙げています。大学の試験の予想問題などを先輩や友人から得られないからです。しかし、これはおかしい理由づけです。そらなら、問題点は学習能力不足ではなく、その解決のために塾などに通うことはないからです。
二番目にこの記事で上げている理由は、慶応大学や東京理科大という名門大学でも基礎学力が不十分な大学生が激増しているからということです。学生自身が学力不足を自覚し高校生用の塾に通うのならこの後者の理由でしょう。そしてその理由に「年内受験」すなわち、付属校出身者がエスカレーター式に有名大学に進む、あるいは推薦入試(今では特別枠などとも言う)の増大の結果だと言っています。
付属や推薦入試が極端に多い関西学院大学の偏差値は下がり続けていた
と言うのも、以前から紹介しているように、一般受験で普通に入試で大学に入る生徒と、付属校の生徒では極端な学力差があり、推薦入試で入る生徒との間にも大きな差があるからです。推薦入試でも指定校推薦枠があるじゃないかという方もおられますが、指定校推薦の生徒は学校の成績が良くても模試の偏差値が悪い生徒が多い。これは言われたことを真面目に暗記する学習ができても応用力がない生徒が多いということを意味しています。一般入試で合格する生徒と指定校推薦で合格する生徒の学力差も相当大きいです。一般受験で合格できる自信があるのなら、指定校推薦で選択幅を狭めるようなことをする生を私は教えたことはありません。
ことに中堅高校で成績が少し良くて評定4程度で関西学院の指定校推薦を受ける高校生の学力では、一般入試で合格する生徒と指定校推薦で合格する生徒の学力差は致命的なほど大きい。だから、関西学院などでは中堅高校の指定校推薦を取り消し始めています。
かように、付属のエスカレーターや推薦入試で入った大学生の学力は一般入試で入る大学生の学力よりも相当低いというのが実情です。この情況を反映して一般受験で入る学生の割合を下げ続けていた関西学院大学は、関関同立の中で唯一偏差値を下げ続けています。明確な理由はどこにも書かれていませんが、他の三大学との大きな差は関西学院大学の付属や推薦入試の割合が極端に高いことしか見当たりません。関西学院大学だけが65%もの学生を付属校や推薦入学で取り、同志社や関西大学が他3大学が50%程度で私立大学の平均的状況となっています。一方で、立命館は一般入試の割合が高く、偏差値を上げ続けています。
関西学院の偏差値低下は、「付属大学」と揶揄されて学力が高い高校生から敬遠されていることです。しかも、「付属校や推薦入学の学生は学力が低く、大学の授業のレベルを下げざるをえなかったのではないか?」。あるいは、「付属校でダラケ切ってそのまま大学生活に突入した学生や、大学受験で必死で頑張りぬく経験をしていない推薦組は企業に入社した後にキチンと頑張れるのだろうか?その評価が大学の評価になって関西学院の偏差値が下がってきているのではないか?」とも推測できるわけです。「関西学院もやっと気づいた凋落の原因? 一般選抜枠を5割超に拡大」。
その結果、関西学院大学では昨年度から一般受験の割合を増やして他大学の50%並に戻したようです。
その有名大学での学生の質劣化がこの記事で裏付けられたということでしょう。
理系に行く場合は付属校出身や推薦組はよろしくないんじゃない?
文系の場合は大卒で就職するので、大学の単位さえ取れれば付属出身者や推薦組の成績はあまりよろしくなくても、大きな問題ではないかもしれません。有名大学なら最近の就職状況ではそれほど困難はないでしょう。しかし、理系となると研究開発職に就くためにはそれなりの大学出身で、それなりの大学院を出ていなければ難しいです。特にこの大学生を教える塾が言ってるように、数学などの理数系科目が大学の授業でさえついていけないのならば致命的です
大学で単位を取るのでさえ苦労する学生が大学院の入試に受かるのか?そもそも大学院に行っても研究室でまともに研究できるのか?と、当然ながら誰でもそう思うわけです。
そして、私立大学の大学院ならまだしも、この状況が、国立大学の、それも相当上位の神戸大学レベルの大学院で起こっている状況を皆さんはご存じでしょうか?
神戸大学の大学院レベルで何が起こっているのか?
国立大学は独立法人化後、大学院の定員を増やして、自分の大学の学生の希望者より多くの定員を持つことになりました。その結果、東大や京大の大学院でも自大学の学生では定員を埋められずに、神戸大学あたりから進学する状況になっています。それでも埋められずに、最近は中国人で定員を満たしています「【連載】東大と増加する中国人留学生 ①中国の背景」。これ東大新聞の記事ですからね。
じゃあ、その神戸大の院にはどこの学生が来るのか?関西学院や甲南から来るわけです。そして、慶應大学や東京理科大という関西学院よりレベルが上の大学でも大学の授業の単位さえ取れない状況になっているのに、それ以下の大学、しかも付属や推薦入試満載の大学から神戸大学の大学院に進むわけです。
そりゃあ、神戸大学の学生なら神戸大学の院に入っても「実験でけへん~」「そんなに頑張れって言われても、でけへん~」てなことはないわけですが、その下の私立で3教科の緩い受験さえしたことがない付属や推薦組ではどうなるんでしょう? とっても興味深いですね!
最近、大学院んでアカハラが増えたのは、教員の悪意ではなく、「神戸大の院なんだから当然この程度のことはするだろう」という自分たちレベルの感覚が、下位私立大学から入ってきた院生には通用せずに「ハラスメントだ!」と訴えられるからではないかとも推測しています。そんな中で、まともな研究職は育つのか?
神戸大学の大学院の大学院生だと思って採用した企業はどうなっているんだろう?
正直、神戸大学の大学生と甲南などに進む生徒の資質は能力面での頑張れる力でも全く違うと、高校生を教えている方なら誰もが知っているはずです。その上、6年間遊び呆けて我慢さえあまりできない付属の生徒と多教科の共通テストも頑張り抜き難しい二次試験も乗り越えた神戸大学に入る生徒では、もう天地がひっくり返るくらいの差があるわけです。
そのユルユルの学生が神戸大学の院に入る。中には「大学院の受験を突破して修士論文も書いているんだから、神戸大学院卒で何の文句がある?」という方もおられるでしょうが、そもそも神戸大学の学生が受験せず神戸大学より下の私立大学の学生が合格するユルユルの神戸大学院のレベルは、従来の神戸大学院卒と同じレベルの修士論文なのか?神戸大学院卒と見なして良いんでしょうか?だからアカハラ問題が頻発するんじゃないのか?ということをここでは言っているわけです。
この状況を学歴ロンダリングとしばらく前からは言われています。しかし、この記事を読む限り、ロンダリングを超えて密輸レベルです。こういう学生満載となった有名大学の研究室はまともに機能するのか?教員が全ておぜん立てして、マニュアル通りに院生は手を動かし、論文もほぼ教員がアウトラインを書くようなことになっているとも聞きます。
有名大学の大学院のレベル低下、日本の技術開発のレベル低下に興味津々です。
私は、「神戸大学の院卒」として企業が採用したなら、どんなことになっているのか是非知りたいですね!「「Fラン大学」出身でも簡単に一発逆転できる…高学歴になって有名企業に就職できる学歴ロンダの究極裏ワザと、入りやすい大学院の実名リスト」。
アメリカの大学の真似をして?実は偏差値を下げたくないから推薦入学で多様性を謳う愚かさ
日本の大学や組織は、一度入れてしまうとほぼ除外はありません。日本の大学はほとんど全卒前提です。成績が悪い学生に退学を乱発したら、「あの大学行ったら卒業でけへんねんて」と悪評が立つに決まっています。大学院も似たような状況です。だから入試で入学前に絞るわけです。
ところが、多様化の手本となるアメリカの大学は違います。ほぼ推薦入試でユルユルに生徒を受け入れる。可能性がある生徒、面白そうな生徒も含めてユルユルに受け入れる。そして大学で絞り上げる。大学では成績が悪い学生が退学になるのは当然のこととして受け入れられていて、猛勉強を強いられます。大学側も教員もそういう学生の正否を判断する重い責任を負っているわけです。
日本の大学でそんなことをしたら「あの大学は高い授業料と入学金だけ取って卒業させてくれへん」と悪評が立つことは間違いないですし、更に大学の教員に生徒の将来の可否に責任を持つ覚悟などあるとは到底思えません。だから試験に不合格でもレポートを書かせ単位をやり、全卒させるわけです。
その日本の大学のユルユルさは「文系など大学に要らない」と文部科学大臣にまで言われる始末です「「大学に文系は要らない」は本当か?下村大臣通達に対する誤解を解く」。そんな組織でアメリカのように入り口で学生を絞らずに推薦入試や遊び呆けた付属の生徒を大量に入れたらどうなるのかアホでも分かるというものです。
一般入試の枠を従来通りにしていたら偏差値が高校生も合格して大学の偏差値が下がるからと、「多様性」などのきれいごとをでっち上げて推薦入学を乱発した結果このような事態になっているわけです。日本の有名大学はアホ以下ということになります。
大学院の定員を自分たちの職場が欲しいからと大学院の定員を広げて下位大学から学生を多量に受け入れる大学院はアホ2以下ということですね!


