成績目的で就学年度まで遅らせるアメリカ/早生まれで不利な中学受験をして、進学校で落ちこぼれて、現役志向と言う日本の不思議
まあ、アメリカのこんな記事をご覧ください
Oldest Kids In Class Do Better, Even Through College : The Two-Way : NPR
理由は、Children who start school at an older age do better than their younger classmates and have better odds of attending college and graduating from an elite institution.です。
「年長で学校を始める子供は、年少の子供より良い成績を取れ、そして大学入学やエリート大学の卒業の可能性が高い。」
だから、Many parents already delay enrolling their children in school, believing they’ll do better if they’re a bit older. なのです。「多くの親はすでに子供を入学させる時期を遅らせている、子供たちが少し年長だとより良い成績を取ると信じて。」ということです。これは、1年遅れで子供を入学させることを意味します。
現にこの記事では、遅生まれと早生まれとでは、大学進学適正テストの得点やエリート校の卒業などで格差があると書かれています。だから、先持って「浪人」させているのです。
ヨーロッパでも
Older children in the year group are more popular than younger peers | New Scientistでは、Relative age has earlier been demonstrated to affect school performance – relatively older children do better in school,”と書かれています。「年齢比較では学校の成績に影響があると以前から報告されてきたー比較すると年長の子供は学校の成績が良い。」です。
同じ様な報告は至る所にあります。
中学受験に血道を上げる日本で、なぜ問題にならない?
このような「早生まれの学力不利益/学歴差は就職差になり所得差にもなる」にも示した「東大院教授「早生まれの不利は大人まで続く」研究結果発表」というデータでは、高校入試で早生まれと遅生まれとでは、平均で偏差値が4.5違うと言われています。進学先がワンランク違うんです。中学受験では、もっと格差が大きいはずです。
でも、こういう「生まれながらの問題」をまともに取り上げる議論は日本ではタブーです。もちろん、親同士ではヒソヒソ声で話題には上りますが、公に言われることはありません。
私のような塾関係者が「お子さん早生まれで、理解力もやはり劣っています。中学受験は下の学校に行くことになります。じゃあ、公立でも大差ない学校です。公立に進んで大学受験で勝負した方が良いんじゃないですか?」なんて言おうものなら、とんでもない火の粉が降りかかります。「このホームページを書いている理由/読者の苦情から」の通り、私もバッシングを受けました。
しかし、中学受験や塾選びという前に、この大きな課題を無視して受験に血道を上げるのは良くないと思うんです。成績上位者に照準を合わせる進学校に無理やり進ませて落ちこぼれさせて、公立校に行ってゆったりと授業を受けてキチンと理解していれば進めた大学にも進めなくなった子供をごまんと見てきたからです。それが、早生まれを無視した親の間違いから起こったとすれば、お母さんどうされますか?
日本での解決策は
中学受験を目指すなら遅生まれが圧倒的に有利だし、早生まれの子供は格差が埋まる大学受験まで競争は先延ばしにすべきだと思うんですよ。更に、浪人覚悟で大学受験で勝負するために、私立中学なんかに余分な金は払わない。これ以外はないように思います。本人の努力だけではいかんともしがたいですから。
アメリカでも1年遅らせるですから・・・日本では出生届の関係でこれはできないでしょう。そうしたら浪人もありかと思いますよ。それなのに、早生まれで不利な中学受験に突き進み、進学校で早く速い学習に落ちこぼれ、その上現役志向で大学を目指すなど愚かすぎると思います。
早生まれの子供は1年浪人して、やっと遅生まれの子供と対等な勝負ができるんです。その土俵を整えてあげるのも、早く子供を産んだ親の責任だと思うんです。