熊本のソフトヤンキーがTSMCで絶賛され、都会の中堅高校の生徒がAIに駆逐されようとしている?

塾を経営して20年以上、私は都会の平均的な中堅高校(偏差値50前後)に通う「真面目で大人しい生徒たち」をずっと見てきました。学校の宿題もそこそこにこなし、親の言うこともそれなりに聞く。一見、何の問題もない「良い子」たちです。

しかし、私は今、彼らの未来に猛烈な危機感を抱いています。おそらく多くの子供は無自覚に中堅大学やFラン大学に進み、人手不足で最近までは就職は売り手市場でしたが、AIの発展で新規採用は絞られてきているので就職が今までのようにはいかなくなる。就職はできても、中高年では、初任給上昇のために首を切られている今の中高年の会社員より、AIがもっと過酷な首切りをするでしょう。

一方で、ソフトヤンキーと一時期はバカにされていた田舎のヤンキーたちが、今熊本の世界最先端のTSMCの工場で大絶賛されている。

なぜこういうことになっているのか、少し考えてみましょう。

■ 「ここをクビにされたら終わり」熊本のヤンキーを動かす、逃げ場のないリアル

いま、経済ニュースを連日賑わせている熊本県の台湾半導体巨頭「TSMC」の巨大工場。ここで今、台湾の経営陣が「世界最強の兵隊だ!」と泣いて喜んでいるのが、地元の農業高校や工業高校を卒業した、一見やんちゃなソフトヤンキーたちです。

なぜ、彼らはTSMCの過酷な24時間365日の「3交代勤務」で自発的に一生懸命働くからです。 TSMCがアメリカに工場を作った時には、米人はこの勤務形態に耐えることができずに用事があると欠勤したり遅刻したりして、工場は満足に感動できませんでした

どうして、熊本の工場で、それまでいい加減で好き放題してきたソフトヤンキーが必死で働けるのか?理由を考えたことはありますか?その裏には、高給で雇ってくれる企業はTSMCであるということ以外に、地方のヤンキーコミュニティはという絶対的なムラ社会システムがあります。

ペーパーテスト中心の学校教育からは「劣等生」として排除されてきた彼らが、TSMCで働けるのは人生の逆転劇です。地元の秀才がそのようなヤンキーコミュニティを嫌がって都会の大学に行き一流企業に勤めた場合よりも高い給料がもらえます。 TSMCに採用されたソフトウェアキーはそれまで邪魔にされていた親からは絶賛され、周囲の親族や仲間のヤンキーからは英雄扱いされることになります。

そこで勤務形態に耐えられないからとやめたらどうなるでしょうか。「やっぱりどうしようもない奴だった」と決定的な烙印を押されることになります。だからTSMCに就職することは一発逆転の名誉であるとともに、もう逃げ出すことができない監獄に行くようなものなのです

だからどんなことであってもどんな厳しい勤務条件であっても彼らはTSMCにしがみつきます。この閉じられた田舎の環境が、同じTSMCに好待遇で勤めても、TSMCはただの勤務先で一番大事なのは自分の日常生活というアメリカ人と決定的に違うところです。

だからTSMCのソフトヤンキーが絶賛されるという裏には田舎のシビアな閉じられた社会の中で生きるという人生の裏返しでもあるのです。

■ 一方で、都会の中堅高校を出たような連中はどうだろう

ソフトヤンキーと同じように、ダラケて中学時代を過ごして、注意されても一向にやる気を見せなかった都会の普通の生徒はどうでしょう?

塾で叱っても、おだてても一向にやる気を起こさなかった彼らですが、入試直前の中学3年生の面談で「そんな志望校は無理」と言われ、第2志望の高校に変更し、冬休みにその第2志望の高校の過去問題をやっても合格点にはるかに及ばないことになって、やっと腰を上げます。そして、それまでの3年近くの基礎学力の不足を2カ月ほどで埋めて高校に合格してきます。

ところがこの爆発的な努力は、目の前の恐怖が過ぎると終わります。「やればできるじゃない!」と褒められても、その努力は継続できません。そして、高校3年生夏休みになって「クラブも終わったし頑張るか」と問題集を開いても、中学の学習とは違い難しすぎて半年ほどの頑張りでどうにかなるものでもなく、そのまま中堅に下の大学に進むことになります。

なぜなら、就職が売り手市場の今、そういう大学からでもそれなりの企業に勤めることはできるからです。そして、この就職売り手市場でしか採用されないTSMCとはいかないでもそれなりの企業に勤めても、すぐにハラスメントだとか騒ぎ仕事もロクにせずに上司を困らせることが増えているのも、「2年ほど事務作業をおぼえて転職すればキャリアアップだし給料も年収100万円増える」などと思っているからです。

入試でも、就職してからでも、いくらでも逃げ道が用意されている。これが田舎でTSMCにしがみつくソフトヤンキーとの差です。

■ 最大の問題:大人が「データ」を突きつけても、彼らは1mmも変わらない

だから、「じゃあ、塾で模試の結果や順位データを突きつけて、このままじゃ大学に落ちるぞ!と現実を教えても、彼らには響かない。20年以上現場に立つ私から言わせれば、そんなデータや説教では、都会の子供たちは1mmも変わりません。

彼らは高校受験の時、中学の狭い勉強範囲を「最後の3ヶ月のダッシュ」でなんとなく乗り越えてしまいました。この成功体験が災いし、大人がいくら「大学受験はそんなに甘くない!」と警告しても、『まあ、高3の夏休みから本気出せばなんとかなるでしょ』と、スマホを見ながら他人事として聞き流します。

高校受験とは比較にならない難易度の大学受験を前に、高3の夏に『本当に手遅れだ』と本人が自覚した時にはすでに手遅れなのですが、「本人が自覚するまでは、絶対に治らない。しかし、自覚した時にはもう手遅れである」 これが、都会の中堅層の子供たちが抱える、教育界最大の絶望的なパラドックスです。

普通に言葉で教え、普通にデータを突きつけるだけでは、彼らを立ち直らせることは100%不可能です。大人の理詰めの説明を理解して、「じゃあ、心を入れ替えて、こういう学習プランを立てて今日から頑張ろう!」と自発的に動けるのは、もともと偏差値65以上あって、関関同立クラスに楽勝で合格していくような、上位1割の連中だけです。

じゃあ、残りの一般的な9割の層、お尻に火がつかなければ絶対に動かない都会の中堅層はどうするのか。

■ 映画『愛と青春の旅だち』のしごきが意味する、教育の真実

名作映画『愛と青春の旅だち』で、鬼軍曹に極限までしごき抜かれた主人公が、泥水をすすりながら「ここを辞めたら、俺にはもう行く場所がないんだ!」と号泣する有名なシーンがあります。

日本人はこの手のシーンを見ると、すぐに「陰湿なイジメ」や、単に肉体を痛めつけるだけの「パワハラ・体罰」を連想しがちです。Z世代は特にそうとしか思わないでしょう。それはあまりにも浅はかな誤解です。あの軍隊のしごきは、単なる軍事スキルの「鍛錬」という生ぬるい仕事ではありません。

軍隊に入ってくる、「それまでの人生で親や環境に甘やかされ、何一つ責任を取らず、中途半端にいい加減に生きてきた」このソフトヤンキーや都会の中堅大学に進むような連中です。その性根を叩き潰し、人間を根本から書き換えるための『精神の外科手術』なのです。

逃げ道をすべて塞がれた極限状態に追い込まれて初めて、人間は自分の甘えを終了し、人生への本気の「覚悟」を固めることができる。古来、未開の部族で「高い塔から飛び降りさせる」「ライオンを狩る」といった過酷な『通過儀礼(イニシエーション)』が存在したのも、全く同じ理由です。

私は20年現場に立って確信しています。精神的に追い詰め甘えを完璧に遮断するような「現代の通過儀礼」を経験させない限り、いまのぬるま湯に浸かりきった若い子供たちが自らの考え方を変えることなど、絶対に不可能です。

しかし、いまの令和の社会環境下で、このような過酷な環境や厳しさを学校や一般的な塾に求めるのは、ハラスメントの目もあり、構造的に不可能です。 結局のところ、「我が子の甘えの逃げ道を塞ぐ」のは、親が覚悟するしかないのです。

■ 「ジョブ型採用」と「転職キャリアアップ」という、都会の若者たちの致命的な勘違い

親御さんは今すぐ、我が子に対して次のように厳然と言い渡す覚悟を持つべきです。 「このレベル以下の大学にしか受からないなら、我が家は1円も学費は出さないし、大学には行かせない」と。

なぜなら、中堅以下の大学に行って、そこそこの中堅企業に事務職として滑り込めたとしても、今の時代、待っているのは地獄だからです。

いま、日本の大企業がこぞって導入している「ジョブ型採用」です。 今の日本の若者や親たちは、「大卒だから将来はエリートとして出世していく」というメンバーシップ型採用をいまだにベースに考えています。このジョブ型の本当の意味を完全に大勘違いしています。

欧米における一般大学・中堅大学の学卒というのは、最初から「出世のルート」から完全に排除された、ただの「ジョブ(現場作業員)」として雇われています。つまり、その事務職の範囲にいる限り、どれだけ経験を積もうが、出世もなければ昇給の頭打ちも最初から完全に固定されている。これがジョブ型の冷酷な真実です。

実際の扱いは、アメリカの州立大学などの一般の大学生は、日本の高度経済成長期における「現地採用の腰掛けOL」と全く同じなのです。現場の事務仕事から一生出られないポジションにハメ込まれているのです。だから、大卒である彼らが、平気で5時になると仕事を放り出して帰るし、顧客にまともに対応する面倒をしないのです。

そして、この冷酷な構造に気づかないまま高い初任給に釣られ、「ジョブ型」で採用された若者たちの末路がどうなるか。その最たる例が、ユニクロの店長候補などです。

彼らは「店長(現場の作業員)」というジョブで採用され、「いつかは本社勤務」と夢見て、24時間365日、本社の命令と規則通りに使い捨ての働きバチのように働かされます。どれだけ必死に働いたところで、現場ジョブの枠の中にいる限り、その先の出世や大幅な昇給の天井は最初から完全に決まっている。若者たちはその残酷な現実に2〜3年で気づき、未来への天井を知って次々と絶望して辞めていっています。

さらに滑稽なのは、今の若い連中がSNSの言葉に踊らされ、「ジョブ型で採用されて多少の事務を経験したら、それを武器に他の会社へ転職していくことこそがスマートな『キャリアアップ(成功)』だ」と本気で信じ込んでいる点です。

これも完全に彼らの大錯覚です。中途採用する側の企業も、単に「自社の穴埋め」として、手っ取り早くその仕事をこなせる経験者を雇っているだけに過ぎません。転職によって、目先の年収が50万、100万円上がることはあるかもしれない。しかし、結局は「その特定のジョブ(作業員)の枠」の中で横移動しているだけですから、新しい会社でも昇給はすぐにストップし、結局それ止まりで終わるのです。どこまで行っても「替えの利く都合の良い歯車」という天井からは一歩も出られません。

これこそが、ぬるま湯に浸かり、会社を舐めきっているだらけ切った都会の若者、自己主張ばかりで仕事もしないZ世代に対する、企業側の冷徹極まりない『回答』であり、ジョブ型採用の本質なのです。

■ 40代で直撃する「AIリストラ」の未来へ、我が子を送り出すな

結果として、出世もできず、給料も上がらないままマニュアル通りの事務職や現場作業を続けた若者たちが、30代、40代の中高年になった時、何が起きるか。 進化しきったAIによって、その作業のすべてを代替されます。

今、ニュースで連日報じられている現代の中高年の黒字リストラなんてものは、まだ生ぬるい方です。彼らが中高年になる頃には、AIの発達によって、今よりもはるかに残酷で、一切の再就職の効かない「本当の路頭に迷うリストラ」が直撃することになります。その中で生き残るのはAIを使いこなせ部下として扱えるジョブの超一流大学の卒業生だけです。もちろんそのエリートもその能力がないと査定されると、すぐに馘首されるか事務ジョブ型に落とされます。

そんな惨めな未来に我が子を送り出すくらいなら、大金を使って中堅大学やFラン大学に行かせる意味など1mmもありません。

現に、先を行くアメリカの労働市場では、すでに地殻変動が起こっています。大卒のジョブ型デスクワーカーがリストラされ、給料が買い叩かれて頭打ちになる一方で、水道管の配管工や電気技師といった、超人手不足の現場の肉体を使う熟練職人の方が、はるかに高給取り(年収1500万〜2000万円超え)になっているのです。「下手に中堅大学に行って借金を背負い、オフィスで使い捨ての歯車になるより、現場のプロの技術を磨いた方が圧倒的に勝ち組になれる」という現実に、アメリカの若者たちはとっくに気づいています。

日本も全く同じ道をたどります。だからこそ、親が毅然として、 「そんな天井の決まってる上にリストラ要員になる大学に行くくらいなら、大学など行かずに、今すぐ自分の腕一本で生きていけるプロの職人の道を目指せ!」 と、子供に現実を叩きつけるべきなのです。

この親の「本気の覚悟」、そして当塾が用意する「言い訳の利かない、逃げ場のない環境」。これらがガッチリと噛み合った時初めて、都会のぬるま湯で眠りこけていた子供たちの脳が、本気で目を覚まします。

我が子を、いつでも逃げ出せる踏み台を探すだけの「やる気のないZ世代」としてAIに駆逐されて終わるか。 親が覚悟を決め、これからの冷酷な時代を生き抜ける人間に育て上げるか。

ミドリゼミ、本気の覚悟を持った親御さんと共に、お預かりしたお子さんの現実と戦っていきます。

ホームページはコチラ

芦屋で500人以上、個別指導20年のベテラン講師が、毎日・全教科、中学生と高校生を指導します。御影高校・神戸高校、関西学院・同志社・神戸大学・大阪大学を目指す特進個別塾です。