関西学院レベルは親世代の甲南大レベル?/それでも有名大学になった理由

まず、関学の学生さん。OBのみなさん、こういう記載を謝らせてください。でも、あまりにも偏った情報が頒布され、受験産業の犠牲になっている方が多いもので・・・棘のある書き方ならごめんなさい。

今の関学は昔の甲南レベル?

京都大学5.6千人、大阪大学3.8千人、神戸大学4.1千人で合計1.35万人、大阪公立大学2.1千人、その他主要公立大学も合わせると1.8万人の国公立大学の定員があります。そして、関関同立には各大学に7~8千人の定員があり、3万人ほどの枠があります。そして、産近甲龍には9千人の枠があります。

関西圏外からの大学生は関学で1割、神戸大学では3割、京都大学では5割です。と言うことは大雑把に、神戸大以上には8千人、主要国公立大学以上には1.2万人程度、関関同立以上には3.9万人、産近甲龍以上の大学には4.6万人関西圏の学生が進むと考えられます。

親の世代に比べて関西の生徒数は1学年で25万人から17万人に激減しています。その中で、日本の大学進学率は約56%です。だから、関西圏の大学受験生は9.5万人程度です。

ということは、神戸大以上では1学年で上位5%で受験生の8.5%、関関同立では1学年で23%で受験生の41%、産近甲龍では1学年で27%で受験生の48%にいれば進めることになります。

ところが、ここで関関同立では半数が内部や推薦で合格するという変数が出てきます。もちろん遊び惚けている内部進学の生徒は除外して考えないといけませんが、その数は多くはありません。2000人もいないでしょう。指定校推薦の生徒では高校3年生まではライバルだったはずです。ということは、上位4割とは言わないまでも、3割ということはないはずです。

大学進学率はこの20年以上変わりません。親世代では受験生は12万人。私立大学の学部は昔の方が少なかったでしょうから、大雑把に国立大学と関関同立で3万人で上位25%。そこに産近甲龍の2万人を加えると上位4割程度というザックリとした計算になります。親世代でも付属高校はありましたが、生徒数は少ないしそれほど大きな要因ではアリマセン。ということで、上位4割程度では、今の関関同立では昔の産近甲龍です。

この状況を回避しようと動き出す私学:内部進学、指定校推薦作戦

この少子化の悪影響を回避するには、入学定員を絞るしかありません。しかし経営上できない。

そこで、内部進学や指定校推薦の間口を広げてきているわけです。多くの私立大学では50%、関学では65%が内部や指定校推薦などの一般受験外で入学します。この数15,000を差っ引くと1学年8万人の大学進学希望者に対して関関同立以上の大学は2万人になります。上位25%で関関同立以上に行ける計算になります。

こところが、3年生の1学期までは、指定校推薦の受験生はまだライバルなのですから、上に書いたように、この作戦はそれほど大きな成功をもたらしているようには思えません。

模試の進学校外し

皆さんが受けている模試の代表的なものは進研模試です。この模試の関関同立の偏差値は70もあります。偏差値70というのは上位2.5%です。上位2.5%で関関同立っておかしくないですか? 京大や阪大でしょう。

これは、私立の進学校の多くが進研模試や河合塾などの一般的な学校が受けている模試を受けていないことから起こります。上位の生徒が抜けた模試だから関関同立が偏差値70で最上位に君臨するんです。だから上位の国立大学や早慶ではまともな偏差値は出ない。昔もよりもこの傾向は酷くなってきています。この状態が拍車をかけて、さらに上位の学校ではこういう模試を受けなくなってきています。

私はこの流れは、中堅の私立大学と受験産業が意図してやっているのではないかとさえ思っています。だから、以下のようなおかしい表を受験産業が作り、関関同立を名門化しようとしているのです。産近甲龍がそれに引っ張られて昔の関関同立以上のイメージになっているような気がしています。

だから学校の問題集さえ解けていれば合格できるんです

昔のように小難しい入試問題を出したところで、当然合否ラインの生徒は解けないんです。関学の入試問題に難問など一つもありません。チャート式などの学校から配られる問題レベルです。「関西の有名私立大学の数学はチャート式レベル」に書いた通りです。そのワンランク下の甲南大学は教科書ができていれば入れます。

中堅大学の最近の入試問題など中学生でも解ける」の通りです。「高2生3割が勉強時間ゼロ 希望進路で差、文科省調査」という状況で、上位1/4、23.5%で入れるんですよ。なんで中学受験して付属から放り込む必要があるのか、あるいは特別な予備校や教材が必要なのか、私にはサッパリ見当がつきません。真面目に学校の勉強をしていれば入れる大学です。だから、「キチンと塾に来てもらえれば、甲南大学くらいには放り込みます」と私は言います。塾のHPにも書いています。「高校生の指導

関学が名門になったもうひとつの理由:ユルユルの子供たち

まあ、「高2生3割が勉強時間ゼロ 希望進路で差、文科省調査」という生徒たちが、「関学行きたい!」って安易に受験して落ちてくるからから名門になったんだと思いますよ。学校の問題集もまともに勉強もしていない子供が多くなって「難しい!」って言ってるだけなんですよ。

昔の子供は高校になると、「自分は勉強が嫌いだから別の道で」という選択もしたんです。ところが、親は甘やかすし、教師も親と揉め事を起こさないように苦いことは言わない、塾に至っては「大丈夫です~、頑張りましょうねぇ~」などと言って、合格できない子供が受験をして落ちてくる。塾でも「取りあえず関学」がこの地域の偏差値50の親子の合言葉になっています・・・そら、いくらなんでも無理ですよ。

おまけに、こういう子供たちは、今まで失敗しても何をしても許されてきたから、模試で偏差値50、E判定なんか書いてあっても、平気で「関学行きたい。受験します。」って言うんですよ。教科書も分からず、勉強もしていない生徒が今回も許してくれると思ってるんです。で、こういう子供たちが平気で受験して落っこちてきて、彼ら的には予想外の不合格に「関学難しい。」と泣くんですよ。

大学側も、こういう生徒相手に受験料で稼ごうと、あちらこちらに会場まで設けて分不相応な生徒の受験を促しています。今までは他の大学に受かって入学しなくても入学金をふんだくれましたが、それができなくなったから受験料をせしめるしかないんです。

もう一つの理由、中学受験

今まで何度も何度も書いてきていますが、中学受験で真の勝ち組になれるのは、上位の学校の、しかも上位の生徒だけです。「進学塾や進学校の生徒が抱える学習問題・・根っこは親です」「進学校の生徒が普通の高校の生徒に追いつかれる理由」にも書いた通り、進学校の半分以上の生徒は落ちこぼれます。関学も受かりません。六甲クラスでも真ん中少し下、神戸高校のような公立トップでも真ん中少し上くらいにいないと関学には受からないんです。

ということは進学校の下半分は、その他多数の公立校に行って、クラブ活動を楽しんで、友達とも遊んで行けたのと大差ない大学に進むことになる。あるいは、速く難しい授業に落ちこぼれて基礎学力もつかずに、公立校で普通に教えられていたなら理解できたこともできないことになって、より悲惨な結末になる。「私が見た最悪の学校指導・・中2で青チャート、高3で白チャートを教える進学校」などに書いた通りです。

中学受験までして、あるいは進学塾に行って有名校に入り、そこで一生懸命高校でも難しい勉強をして、それでも多くの生徒は関学にも行けないんです。関学を「難しい」「名門」に祭り上げておかないと、親も子も立つ瀬がないわけです。

関学が名門と祭り上げる受験業界

だから、模試では妙な私立のかさ上げ偏差値見られます。

文系で一般的な経済学部を例にとると、関学や関大は大体偏差値71ぐらいと示されています。一方で、大阪大学は77、神戸大学は72、大阪市立大学は65となっています。理系で一般的な工学部では(ピンキリのため、真ん中ぐらい)、関学や関大は65くらい、一方で大阪大学は68、神戸大学で65、大阪市立大学で62です。

合格ラインも以下のような表に意図的に作り上げています。神戸・名古屋・つくば・九州・東北などの帝大クラスと関関同立はほぼ同レベルに書かれています。関関同立を名門としておけば、進学校ビジネスから付属校ビジネスそして、それらの受験に関わっている受験産業まで都合が良いわけです。

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芦屋で500人以上、個別指導20年のベテラン講師が、毎日・全教科、中学生と高校生を指導します。御影高校・神戸高校、関西学院・同志社・神戸大学・大阪大学を目指す特進個別塾です。