中学の図形はなぜ難しいのか?

この分野だけ高校のレベルが要求されるから

幾何、中2の三角形の合同、中3の相似は中学の学習の中で最高難度です。特に相似に至っては、私などには高校の数学より難しかったりします。では、なぜこの図形問題はそんなに難しいのでしょう?

それは、高度な発展問題は応用問題が内包されていて、応用問題の解法を適応して解かなければいけないからです。基本問題では暗記させられた定理を当てはめて終わりです。これは通知簿3で解けます。応用問題では定理が二つ組み合わさっています。基本問題が2つ入っているわけです。これも図形の数通りの特徴やパターンを考えればそう難しくはありません。キチンとした問題集にはそのパターンが全て網羅されています。そのパターンを把握できる通知簿4を確実に取れる生徒なら解けます。

ところが、この上のレベルでは、この応用問題が複数個合わさって構成されているのです。だから、教えてもらった定理のどれが当てはまるか考えているだけでは解けません。応用問題のパターンや考え方がどう組み合わさっているか考えないといけない。選択肢も増えるし思考回路の段階も増えるわけで、通知簿5の上位に君臨する「特別な」生徒以外は解けません。このレベルは、通常の中学生の能力を超えているので、どう教えても、何度教えてもできるようにはなりません。これは、高校の数学の応用問題で要求される解法だからです。

私の塾の解決方法

基本問題しか解けない生徒に応用問題をいくら訓練してもできるようになりません。応用問題を解ける生徒でも、その上の難問は解けません。これは、いくら教えても、どう教えても解けるようになりません。上位の問題を解けるようにするには、授業ではなく、子どもの脳の発育と理解力の向上を待つしかないというのが私の結論です。図形問題など高校ではほとんど学習しませんが、この中学の難問を高校生に説明すると簡単に理解します。学習の成果ではなく、脳が発育したからです。

だから、その子供ができるレベルを見極め、その範囲で取りこぼしのないように教えることが必須です。この「どこまでやらせるか」というのが、塾の講師の腕の見せ所なわけです。また、テストでは、最初に問題を見渡し、できない問題は捨てるように指示します。難しい問題に気を取られて、簡単な問題で焦ってミスをして、結局難しい問題は解けなかったではダメージを二重に食らうからです。

ただ、応用問題までは多くの子供はできると思います

基本問題しかできないのは、難しいことを考えたくない、面倒くさいと思っているヤル気のない子供だけだと思います。その証拠は、入試前になって現実が目の前にぶら下がってくると、塾で教えもしていないのに、過去問題をやって勝手にできるようになるからです。塾でいくら丁寧に教えても「わかれへん~」「でけへん~」と言っていた子供がです。この件については「中学3年の冬休みまで本気を出さない子供たちの将来」をご覧下さい。

だから、子供にやる気があれば、相当下手な教え方をしても、よほどポイントを外していない限りは、できるようになります。「コイツはここまでやな」と、どの応用問題のレベルまで学習させるか判断するのが塾の講師の能力なわけです。無理強いしても時間を食うだけですし、そんなやる気のない子供には社会や英語教科書の暗記や英文法のチェックなど、無理強いしてもできることをやらさねばならないからです。

でも、何時間も勉強すればできるようになるんじゃないの?

私も、子供への理解が浅く、塾を始めたころはそう思っていましたよ。少しでも成績を上げてもらおうと、長時間無理強いしたこともあります。宿題もいっぱい出したこともあります。けれど、それで成功した例は「皆無」です。だから、長時間の学習など無意味だと昨日も書いたのです。やる気もなく頭を働かそうともしない子供の前に、考えることが必要な応用問題を置いて、何時間机の前に座らせようとそれでいい結果が生まれた経験はありません。学校の問題集、自分の問題集、そして塾にある複数の問題集をやり尽くし、それで何も進歩がない生徒などごまんといます。

私が「ここまで」と、その子供の少し上のレベルを設定して、その範囲で締め上げればそれで間違いはないと思います。子供も、少しだけ頭を働かせればなんとかできる範囲なので、ソコソコ前向きに頑張ります。

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芦屋で500人以上、個別指導20年のベテラン講師が、毎日・全教科、中学生と高校生を指導します。御影高校・神戸高校、関西学院・同志社・神戸大学・大阪大学を目指す特進個別塾です。

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