中堅私立と難関大学の入試問題の差 修羅場の経験の差

たった一言の追加が地獄の問題を作る

二次関数 f(x)=-(m+1)x^2+(m^2+3)xでmは自然数、の最大値を求めよ!・・・めっちゃ簡単ですよね。学校から配られた問題集を真面目にやっていたら簡単に解けます。平方完成すればおしまいです。最大値はx=(m^2+3)/2(m+1)=(m+1)/2+2/(m+1)=m/2+1/2+2/(m+1)の時ですよね!

ところが、この問題に「xは整数とする」と一言加わると地獄を見ます。これ某医大の問題です。複雑な場合分けを自分で考えて解き切らないといけないんです。2/(m+1)は小数ですから、mは奇数の時は、解は整数部分の(m+1)/2と(m+1)/2+1の頂点に近い方になります。すなわち小数部の2/(m+1)が1/2より大きいか小さいかを考え、小さいm=1,2,3の時は2/(m+1)が最大値、m=4の時は2/(m+1)と2/(m+1)+1が最大値、m>4の時は2/(m+1)+1が最大値なんですが、

mが偶数の時は、m/2が整数部に、1/2+2/(m+1)が小数部になります。小数部>1/2なので解はm/2+1です。

この場合分けは参考書に乗っているのか?

もちろん同じような問題はありませんが、二次関数などの頂点と整数の関係はよく聞かれる問題です。少し難しいですが奇問の類でもありません。ただ上の場合は分母にmの式が来ているので場合分けが面倒なんです。ただそれだけなんですが、偏差値62くらい以下の関西の私立を本命とする生徒は全滅すると思います。こんな複雑な条件分けを自分で考えられるはずがないからです。

先日紹介した早稲田のように「高校の学習過程以外のことを知っているか、特殊な予備校に通っていたか?」というような問題とは違って、どれだけ入試問題を解いて修羅場をくぐってきたか、努力してきたかを見るのに素晴らしい問題だと思います。こういう問題こそ、入試にふさわしい問題であり、負けた生徒も「努力が足らなかった。」と納得できる問題なわけです。

だからチャート式をやっているだけでは解けない

上の問題の解法はチャート式に網羅されているものです。ところが、チャート式を学習しているだけでは実際には解けません。この類題でなくても、色々な問題でこのレベルの問題をどれだけ解いてきたかが問われるんです。「マニュアル」も「メソッド」も関係ありません。その場その場で今までの経験を振り絞って解くしかないんです。こんな場合分けなど、やらせようと言う意図が異なれば、バリエーションは無数に考えつきます。

本当の入試問題は入試問題をどれだけ解いたかという、修羅場の経験がものを言うんです。ラーニング・メソッドで解決できる学力ではないんです。私が「国立大学に行きたければ、クラブなんか辞めて勉強に専念しろ。」というのはこういう理由です。教えられることを学んでいるだけでは、いつまでもこのレベルに到達できないんです。泥の中で長いこともがく時間が必要なんです。

仕事も同じですよね

講習や教育で身につく方法論を実際に仕事に活かせるのは、それまでの仕事の経験があってからこそです。経験という底力と自力なしに、何も挑戦できないんです。最近はすぐに「メソッド」とかいう若者が多く、「出来ないのは教育されていないから」という輩も多いですが、そんなバカにいくら教育しいてもムリだと言うことはお父様方のご存じの通りです。

上位の国立大学クラスの入試になると、同じなんですよ。予備校や塾に通わせたから成績が上がるなんて思っていたら、大間違いです。

ホームページはコチラ

芦屋で500人以上、個別指導20年のベテラン講師が、毎日・全教科、中学生と高校生を指導します。御影高校・神戸高校、関西学院・同志社・神戸大学・大阪大学を目指す特進個別塾です。