生徒に辞めてもらった件/色々考えますが、やはり正解だと思うようにしています
ダメな生徒は塾の士気を下げる
「生徒に塾を辞めてもらうとき/私もとてもしんどいです」に書いた通り、我慢に我慢を重ねてきた複数名の生徒に辞めてもらいました。年度の切り替わりの時期で、どの塾でも生徒が入れ替わる時期です。辞めた生徒も他の塾に入りやすいと思ったこともありますし、もちろん私の塾も補充をしやすいということもあります。
私が辞めさせた子供は、私のようなベテランの講師が毎日、このようなやり取りをしないといけない子供たちです。
「塾で真っ先にすることが、漢字の暗記なんか? 塾では教えてもらわなでけへん勉強をまずしないとアカンんのと違うの?」と、苦労して考える学習から逃げようとする中学3年にくぎを刺し、それでも「明日テストがあるんです。」と無視して進める子供に「30分様子見てたけど、漢字4つ5つ、数回書いてるだけって、お前舐めてるのか?」ってなことを毎日繰り返します。
また、ある時は「なんで、でけへんかった問題を解き直してへんねん、〇×つけるだけで勉強終わりって、どういう事やねん。何回言ったら分かるねん。大丈夫なんか? 分かれへんとこないんか?」と聞いても「大丈夫です!」と腑て腐れた返答を毎日毎回返され、「大丈夫なんやったら、テストであんなことになれへんやろ!」って毎回私がブチ切れるが、それでも「面倒くさいんだよ」ってな様子でシカトされる。結局、見事テストでまた酷い点数を取ってこられる。
こういうことを毎日繰り返している子供に私はウンザリしていました。だって、塾本来の学習指導や進路指導ではなく、「躾」という幼児レベルの押し問答を毎日繰り返し、その中で成績を上げて行かないといけないことに、私は疲弊しきっていました。
でも、親への恩義もあるし、この時期まで辞めさせられなかった
この生徒たちは、私が塾を再開して生徒数がまだ少なかった時期から来てくれました。だから、私も成績が少し悪くても来てもらいました。
そういう状況で預かったのですから、私を信頼して預けてくれた親に対して、「もう辞めて欲しい。」とは言えなかったんです。親御さんとは何回か、こういうことについて話をしました。毎月出す報告書にも、上のような状況で困っていると書きました。「横にプロの講師がつきっきりの塾でないと教えきれない」と裕福な家庭へは連絡しました。
最後の方は子供にも「少ない生徒の時期から来てくれたキミらの親に恩があるから、僕は頑張っている。それがなかったらとっくに辞めてもらっている。その親と揉め事を起こさせるようなことはするな。」と、私が言う始末でした。でも、そんなことは気にも留めず、子供は毎日同じことをし続けます。
それで、この時期を見計らって、決断したわけです。
でも、反省事項もありますが、間違えてはいない
子供を辞めさせたことには何の悔いもありません。子供とは言えもう中学生です。言えばわかる年齢です。彼らは辞めさせられるだけのことはしてきましたから。けれど、親御さんへの対応だけは、もう少し上手くできなかったのかと思っています。親からは、子供に「もう教えきれないから、今月いっぱいで辞めて欲しい。」と直接言って辞めさせたことを叱られています。子供がショックを受けていると叱られています。
でも、「一番手ごわい子供/怒られ慣れた子供」のように、私に毎日締め上げられて、文字通りつるし上げられても蛙の面に小便の子供が、ショックを受けるのでしょうか? いや受けるのでしょう、今まで大人の言うことなど受け流していれば大したことにならないとタカをくくっていたのですから、その大人から強烈な反撃を始めて食らったのですから。
けれど、その親たちから「子供は先生の言う通り頑張っていたと言っているのに、急に辞めさせるのは酷い。子供が傷ついた。」と同じことを言われ、本当に辞めさせて良かったと改めて思っています。だって、こんなことを言うのですから、これからも何も改善はしなかったでしょうから。そんな子供を、子供によっては、これから5年も教えないといけない。私の精神が崩壊します。塾の指導体制も崩壊します。
それに、正直言って、親がそういう甘いことをしてきたから、こういう子供になったんだと私は思っています。こんな子供を数限りない程見てきて、彼らの顛末を知っているから、「親の愛情につけ込んだビジネス/こんなのに「イイね」してる親って・・」に書いたような教育者やそれをフォローする親たちに嫌悪感を感じるんです。
だから、こういう子供には、直接大人の本心を思い知らせることも大切だと、僭越ながら思っています。だから直接言ったんです。「何回も言ってきたことは、冗談でも脅しでもなく、ホンマのことや。毎日下らないことで叱られてる子供なんか、塾に置いとけるわけないやろ。そんな子供がいる塾を他の子供や親はどう思う? 本気やって分かれへんかったんか?」と言ったんです。
もし彼らが、成績はそれほどではなくても、もう少しまともに対応していたなら、私も辞めさせることはありませんでした。
新しい生徒が入ってき出しました
今月の半ばから新しい生徒が入ってきています。その生徒たちは学習指導と進路指導をすれば、自主的に目的に向かって頑張っています。躾の必要はありません。
今まで緩んで淀んでいた塾の空気が改まりました。私も精神的な疲弊を感じることはなくなりました。組織というものは、学校でも、会社でも、こういう一部の人間の好き勝手を放置していくことから崩壊が始まるんです。一部の人間を大目に見ると、それが周囲に広がり大勢の人間がだらしなくなり、統制が取れなくなる。
学級崩壊やいじめはこうして始まります。だから、中心になる少数を徹底的に押さえつけるか排除するのが最良の方法です。私が抑えようとしても「一番手ごわい子供/怒られ慣れた子供」「さらに手ごわい生徒/サボタージュ」のようなことを数カ月以上続ける生徒は、今回のように辞めさせます。
重ねて書きますが、成績が悪いからと辞めさせた訳ではありません
成績の良くない生徒も少数ですが塾にはいます。でも、彼らは彼らなりに頑張っています。私の言葉にも真摯に耳を傾けてくれています。
成績が悪いからと生徒を辞めさせたわけではありません。塾に悪影響を及ぼすから、親への恩を感じつつも尚その限界を超えたから、辞めてもらったんです。生徒を辞めさせたことには何の反省もありません。この生徒たちはそれだけのことをしてきたんですから。
ただ、親御さんへは断腸の思いです。その思いを越えて、今回は辞めさせました。