子育てに親の知性も常識も関係ないグッド・サンプル/東京大学での受験生切りつけ事件から

私、この女性の発言を聞いて、たまげました

日本の財政・経済~プライマリー・バランスの問題、対中国問題など、内政にも外交にも知性と常識に富んだご意見をお持ちのこのお母さん、「子供が宿題をやりたくないというのなら、親子関係を拗らせてまで子供に強制するのはいかがなものか?」という内容の発言をなされています・・・。まるっきり「塾に転がされるバカな親の見事な一例」で書いた親と同じです。

いや、あなたがお子さんに言っているような態度で中国に接していたから、成長した中国はジャイアンみたいな悪ガキになって、あなたも大嫌いになってるんじゃないんすか? 

客観論として語る知性や世間の常識が、自分の子供に置き換わると愛情で目が曇って盲目になる良い例だと思います。涙ぐみながら「子供が・・・」と話す様は、もう一般論を自分の子供に置き換えて自分の世界に入っています・・・いやはや・・見事な親バカバカ親です! この立派な女性がこんなことを言い始めるとは、正直とても驚きました。

いや、長年塾で教えていると、入塾時には良識と常識があることを言ってらした親御さんでも、いざ入塾していろいろなことが起こって、お子さんの口からメタメタな文句を言われると、それを頭から信じて「この親、そんなこと言って来るの?」というメタメタなことを言って辞められる方がいらっしゃいまして・・・見抜けなかった私も悪いんですが、正直とても迷惑です。

今回の事件に対するコメントです・・・横のオッサン二人はあきれて引いてるがな。

そんな母親に育てられて、非正規にしかなれない子供は数限りなく見てきたんですが・・・

褒めて褒めて褒めて子育てして、認めて認めて、やらなければいけないことも出来ず、中学になってテスト前に漢字もおぼえられない子供が出来上がるんです。増長するだけだからです。

そういう子供が公立中学では半数を占めます。「中学受験を利用して基礎学力を身につけよう!/指導不可能になっている公立中学の半数の生徒」「判読不能な文字を書く生徒たち/公立中学1年生では半数近くを占める

褒めて認めて育つ子供など、親が放っておいても自分から「僕も塾に行きたい。友達に負けたくない。」と親に言ってきて、勝手に勉強して、塾の懇談で親が「ヘッ、ウチの子、そんな進学校に行けますの? そんな進学校想像もしてなかった。」と言わないといけない子供だけです。

今回の切りつけ事件の背景は分かりませんが・・・

情報によると、中学受験で希望だった「東大ご用達」トップ校に落ちて不本意な中学に進み、大学受験では大学トップの「東大理Ⅲ」に執着していたということです。大学受験でリベンジを誓うのは見上げた心がけですが、自分が落ちたトップ校でも難しい東大理Ⅲを無理やり狙って、そこに到達しそうにない状況が続いてたということなんですね。おまけに学校では文転まで薦められていたと言うから、数学は上位の国立理系に届くレベルじゃないんですよ。

下に下げることをこの子は納得できなかった。周囲に凄い生徒がいる学校では、「秀才の努力は天才に届かない」と知って、東大や京大は皆諦めるんですけれどもねぇ。

それで凡人の努力で届く一橋や神戸大の経済にワンランク・ツーランク落としてで頑張ろうとは思わない逆バージョンの唯我独尊的「世界に一つだけの花」が逃げ場を失わせた・・・これ、本人の資質がほとんどだと思いますが、この子に当てはまるかは知りませんが一般論としては、褒めて褒めて認めて認めて育てた結果でもあるんじゃないんですか? 

偏差値に無頓着で2年のこの時期にでも「国立大学!」と言っている「客観的視野がなく、自助努力に欠ける高校生/成績を伸ばすのは難しい」 のような多数派に対して、逆バージョンの少数派だと言っていいでしょう。褒めて認めた挙句自分の能力や将来を受容できなかった・・・それでも95%以上の高校生より良い将来はあったんですけれども、それでも納得できなかった。

で、学校の面談で否定されてブチ切れて、「東大」で事件を起こした。まあ、ざっくり言えばそところなんでしょ。

だから、この状況は安易な教育論では如何ともしがたい

このビデオお母さんのように「愛情を持って、肯定して育てる。」なんかした結果、自分と身内の絶対的自己肯定を世間から否定された挙句、その世間を憎んだんですよ。 「「他者評価より自己評価を大事にする北欧教育を日本でも取り入れたい」って・・・/これ以上尻拭いをさせるな(怒)!」 なんか言うお母さんの子育ての成れの果てであるわけです。

こんな自己と世間とのギャップへの苛立ちは誰でも持っています。勉強や出世だけでなく、恋愛問題でも起こりえます。子供から大人まで、嫉妬や執着から事件は起こります。それを肯定=愛情だけの親は教えて来なかったんです。

それに、このお母さんや 「「他者評価より自己評価を大事にする北欧教育を日本でも取り入れたい」って・・・/これ以上尻拭いをさせるな(怒)!」 の学校の先生が言うように、偏差値の輪切りが人間を否定するのだったら、学力や実務遂行力をなんで測るんですか? 社会活動? 小論文? 学校の成績? けれど、そこではその世界の競争がある。社会活動など内気な子供には生まれもったハンデがあります。小論文も、内容以前に、字の美しさという先天的な才能に大きく採点は依存します。

今度は、「いくらエエ内容書いても、字が汚いからアホな小論文より得点悪いんや~」って東大前で暴れる子供が出てきますよ。それに、小論文や社会活動なんかの定量的でない、主観が存分に入るテスト結果に、私なら満足できませんけどね。それも、社会経験がなく、人物評価もまともに出来ない大学の教員に評価されるんですよ。

特に、こんな大学教員に落とされたら納得できます?「「平等に貧しくなろう」の上野千鶴子氏、タワマン生活で炎上。背景に団塊への怨嗟か」。「人社会では男は男なりの役割がある。動物である限り埋めがたいものもある。」って書いた途端、内容なんか関係なく0点つけられますよ。

それに、学校の成績なんか学校間の格差をどう査定するんです? 芦屋高校と神戸高校の通知簿4をどう補正します? それに、私から言わせてもらえば、その通知簿つけてるのは「あんなテスト作って、あんな授業してる」学校の先生なんですよ。私なら、マークシートのテストの得点以上に納得しませんね。

私なら、自分の将来を決める入試には、ごく普通のペーパーテストを選びます。

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芦屋で500人以上、個別指導20年のベテラン講師が、毎日・全教科、中学生と高校生を指導します。御影高校・神戸高校、関西学院・同志社・神戸大学・大阪大学を目指す特進個別塾です。