ツッコミだらけの進学校の学習スケジュール/中2から高校の学習を始めて、高3で基礎学習?/経済格差は学力格差ではない

「経済格差は学力格差ではありません/噂と広告に乗せられる親たち」の続きです。

とある有名進学校が高校3年生の4月に渡したスケジュール

神戸大学希望者の理系数学のスケジュールだそうです

1学期、チャート式などで基礎を固める

夏休み、共通テストの準備もしつつ、応用問題に取り組む

2学期、共通テストの対策をしながら、入試問題に取り組む

だそうです・・・・

あの~、中学2年生から高校の勉強やらせて、何で高校3年生で基礎固めをせなアカンのですか? おまけに、高校1年生で難問問題集の「大学への数学」なんかやらせてたじゃないですか? 中間テストも期末テストも、「そんな問題、頑張って神戸大に行こうと思っている誰が解くねん?」ってな問題が多いです。模試も、進学校用で難しいのばかり受けさせています。それでこの時期に基礎固めって・・・この時期に基礎固めてる高校3年生が現役で上位の国立大学受かると思いますか?

 「私が見た最悪の学校指導・・中2で青チャート、高3で白チャートを教える進学校」「浪人に悩む親/進学校で想像以上に浪人が多い背景」と同じ傾向の学習指導とスケジュールになっているわけです。

それに、1学期で基礎を固めて夏休みだけで応用力身に付きますか? こんなことなら中高一貫校の早いカリキュラムなんて必要ないし、半年で基礎固めから応用問題が身に着くのなら、その辺りのあちこちにビリギャルが溢れかえってますよ。夏休みは数学や英語の応用はもとより、理科も追い込まないといけないし、社会もしないといけないんです。3教科ですんだビリギャルのように「主要教科だけ!」ってなことも出来ません。このスケジュールで、いつ共通テスト用の副教科の学習するんですか?

2学期は共通テストの準備をしつつ2次の勉強だそうですが、私は共通テストの勉強もしつつ2次の勉強もできた生徒など見たことはない。時間的に不可能です。だって、センター入試の過去問1やろうとすれば、1日1教科でテストと見返しに2~3時間は使います。苦手な傾向の問題があれば、その対策にその日一日以上使うこともあります。まだ不十分な副教科の勉強もしないといけません。それで、どないして1問解いて検討するのに1時間も2時間もかかる2次の入試問題の学習と両立させるんですか?

共通テスト対策など、副教科の勉強もやりつつでは、1日で1教科が精一杯です。1カ月で4年分しかできません。共通テスト対策中心の学習を3年の秋に2~3ヵ月続けなければいけません。この時期に、やっとチャート式の応用問題に手が出るようになった生徒が、共通テスト対策しながら2~3ヵ月で数学や英語、理科を国立大学の2次レベルの問題ができるように学力を伸ばせるなどあり得ません。それで、共通テストが終わったら1カ月で2次です。できることなど知れています。

生徒は、共通テスト対策不足か、二次の学力不足化のどちらか、多くは両方の学力不足に陥ります。断言しましょう! このスケジュールでは遅すぎて神戸大学には行けません! これが「「浪人に悩む親/進学校で想像以上に浪人が多い背景」に書いた結果につながります。

当塾のスケジュール

神戸大学希望者は

3年までに、チャート式などで基礎を固める、数Ⅰ・Ⅱは入試問題集や重要問題集で、関関同立程度の入試問題には対応できるようにしておく

3年の1学期、数Ⅲの入試問題集を始める。加えて、社会などの学習も始める。

夏休み、神戸大学レベルの入試問題を解けるようにレベルアップする。社会などを詰める。

2学期、共通テスト対策を中心に進める。もちろん二次対策も並行するが、11月くらいからは共通テスト対策で精一杯になる。

このスケジュールでないと、二次のレベルの学力は上がらないし、共通テスト対策も十分なものにはならないです。共通テストがある国公立の入試は時間との戦いなのです。上に書いた公立高校並みのスケジュールでは遅すぎて国立大学など行けないことは、学校が一番分かっていると思いますよ。上の進学校のスケジュールでは3ヵ月遅いんです。

だから中学生から生徒の尻をひっぱたいて難しい高校の学習を早い目に始めるんでしょ? それを、高校3年生で「基礎学習から」「共通テスト対策をしつつ応用力育成も」って、こんな酷いことをよく書いて生徒に渡すと思います。

では、なぜ進学校がこんなスケジュールを配るのか?

それは、3年の1学期に基礎学力もなく、チャート式を出来ていない生徒がほとんどだからです。こういう進学校の状況は、「進学校とはどういうところか?/優秀な生徒を搔き集め、チャート式も理解させられず多くは関関同立で精一杯、そういうところです」や「進学校問題の相談多し/難しすぎて役に立たない授業/多すぎる課題で復習できない」に書いた通りです。

無駄に難しい授業をして理解できていない生徒に過大な宿題を投げ続けてきて、生徒は分からないところの復習も出来ません。それで高校3年生の受験本番になった時に基礎学力も身についていない生徒が大量発生して、「神戸大学に行きたければ、基礎からチャートをやり直せ!」と言うなど、学年相応の授業をしてきた公立高校と何が違うんでしょう? 

その生徒たちに「共通テスト対策などする暇はないから、もう国立はあきらめろ!」「浪人せな神戸大学なんか無理ですわ。」なんて私のように言おうものなら、親から「今まで何をやってきたんや!」と総バッシングを食らいますから、こんなスケジュールを生徒に渡すんです。これは誰もが進学校と認める有名な学校がこの4月に生徒に配ったスケジュールですよ。中学2年生から1年半前倒しで高校の勉強を始めたのに、肝心な高校3年生になってスケジュールが3ヵ月は遅いです。

こんなスケジュールで良いのなら、なんで中学2年生から高校の学習を始める必要がある? 高3になって授業進度が遅い公立校と同じことをやって、中学受験して高い授業料を6年間も払うメリットはどこにある?

これが進学校の実態です

高校3年生でチャート式で基礎固めをする、夏休みに応用問題をして、秋から入試勉強本番・・・公立高校とどう違うんでしょう? これが中学2年生から高校の授業を始め、分かりもしない難しい授業をやり、解答を写す以外できもしない膨大な課題を出し続け、生徒の尻を叩き続け苦しめ続けた進学校の実態です。「経済格差は学力格差ではありません/噂と広告に乗せられる親たち」に書いた通り、上位2~3割の生徒以外は、ほとんど関関同立や産近甲龍に進むことになるんです・・・公立の少しマシな高校とどう違います?

中学受験などほとんどの子供に意味はありません。もっと見たい方は「進学校の指導 | 特進個別塾ミドリゼミ芦屋校|定額で毎日プロが個別指導 (tokushinkobetsu.com)」にいくらでもあります。

私なら、こんな進学校に中・下位で滑り込ませるくらいなら関関同立の付属校に行かせます。そもそも、この上の「京大、医学部当たり前」の都道府県でNO.1の超進学校以外には中学受験させるメリットなんかないと思っていますから、中学受験や私立に使う金を浪人用に貯めておきます。

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芦屋で500人以上、個別指導20年のベテラン講師が、毎日・全教科、中学生と高校生を指導します。御影高校・神戸高校、関西学院・同志社・神戸大学・大阪大学を目指す特進個別塾です。