サボることから面従腹背へ／最近の成績が悪い中学生

昔の成績が悪かった生徒

これは、勉強をなるべくしないでおこうという生徒です。

塾に2日も3日も欠席が続き、親に電話をすると「塾に行くと家は出ました。」ということが、昔は成績の悪い生徒では多かったです。塾の時間の間、コンビニに行ったりして暇を潰しているんです。

塾に来ても、着くなり休憩をし、トイレで頑張り、やっと机の前に座ったかと思えば、問題集を取り出すだけで5分もかけて、なるべく勉強しないでおこうとする。

まあ、昔の成績の悪い子供は、分かりやすい浅知恵だったわけです。

最近の成績の悪い生徒

「今日はこの問題集をします。」「次はこれをします。」と積極的に塾に来て言うんですよ。

私が指定した学習をするとしんどいので、常に新しい問題集を持ってきて苦労せずに出来る問題だけを進め、間違えた問題も見直すなどせずに、次の問題集次の問題集へと渡り歩きます。それに飽きたら、塗り絵をするように暇つぶしの「教科書まとめ」なんかを始めます。「何冊も問題集を学習して成績が上がらない生徒」「思考と努力の跡がないノートなど無用／まとめノートなど成績不良の証」の通りです。

「分からないとこないか？」と私が聞いても「大丈夫です」の一点張りです。もちろん、「じゃあ、これとこれやってみろ。」とその子の学力なら分かっていなさそうな問題を指定するとできないんですけれどもね。

今のホドホドの成績の子供なんて「頑張って書いて漢字や地名をおぼえる。」とか、「分からなった問題を教えてもらって、自分で考え直して解けるようにする。」なんてしんどい学習はしません。いろいろな問題集を持ってきて、手を変え品を変え学習して、こちらが今何をしているのか管理できない状態を作り出して時間を潰します。

これが最近の成績が悪い生徒の典型です。

サボることから面従腹背へ

問題点を複雑化して、管理者の目を誤魔化そうという高等技術を、中学の学習すらまともに出来ない頭の悪い中学生が駆使するんです。これが最近のトレンドです。

・親に塾に行けと言われて、反抗すると面倒だから、塾には行く。

・ここで講師の言う通り学習したら面倒だから、自分の持ってきた問題集で簡単な問題だけやってしまおう。

・その結果、こっちのペースに巻き込んだら、講師のチェックを掻い潜ることができて楽だった。

という経験則から学んでいくんだと思います。少子化と過干渉で親の監視下に常に置かれてきて、反抗するより、面従腹背をする方が楽だと学んできたんです。

だって、親の監視って感情的なだけで穴だらけですし、塾でもこんな生徒にまともに取り合ったって成績なんか上がらないから放置してる。その状態から学んだ経験則です。「スイミングスクールと学習塾や進学校は同じビジネス手法です」「進学塾に下のクラスで入る愚かさ／公立中学の学力と入塾基準」の通りです。

ご存じありませんでした？

だから、成績の悪い生徒程多くの問題集を持つ

塾では十分なだけの問題集を買ってもらって、それを満遍なく学習すればいいようにしてあります。昔の子供では、それ以上に勉強する問題集を買って、自分で苦労を背負い込むなんかしなかった。

でも、今の子供は、成績が悪い子供ほど、塾の問題集以外の多くの問題集を親に買わせます。上に書いたように、自分でペースを握って楽な学習に持ち込むためです。楽な問題ばかりを渡り歩き、時間を潰しながらも勉強をしていることを大人にアピールするためです。

元来、問題集で分からないところがないようにしっかりと仕上げようと思えば、学校と塾の問題集2冊だけでも大変なはずです。それを仕上げるだけで90点を連発し、神戸高校や兵庫高校に行った生徒は何人も教えてきました。けれど、「これを勉強したい。」と5冊も6冊も自分から塾に問題集を持ち込む生徒で80点取って、御影高校に行った生徒など見たこともありません。

遺伝子は偉大ですな

こういう成績の上がらない子供の親は、学習して〇×だけをつけて放り出してあるノートを見て「分からんところをやり直せ！」とも言わずに、「成績が上がらないのならもっといいい問題集がある。」「もっといい塾がある」と渡り歩き、自分達で購入した問題集と塾を変わるごとに買わされた問題集が積みあがっていきます。

貯まりに貯まった問題集を利用して子供は安楽な学習を歩き続け、親は金さえ払えば解決をするとそんな子供を後押ししている。子供はそんな親を見切って、上手く立ち回っている。「苦労して、出来ないことを出来るようにする。」という思考と指向が親子揃って持ってないんです。常に責任は他人にある、環境さえ変えれば解決すると考えている。

問題はアンタら自身にあるんや！　

どの問題集もどこの塾も、それほど大差はない。自分がどう努力するかが、最大の問題なわけです。よっぽど極端な職場や上司を除いて、ども会社でも我慢できん奴は、どこの会社でも文句を言うのはお父さんもご存じでしょう、それと同じです。・・・それも分からないって、遺伝？　

まあ、「努力できる遺伝子／グローバル化・中流没落が生む選民思想」でも読んでください。原因も考えずに親子揃って安易な道を選ぶ指向があるんだと私は思います。