理系は字も絵もヘタで国語がダメな理由

例外はあるが、かなり普遍的な一般論

最近は電子カルテになっていますが、医者がカルテに書きなぐっている字を見て「汚い字やなぁ」と思った方は多いと思います。あれ、理系の標準ですから。字がきれいで、丁寧に書いて、それを誇りに思っていて、数学があまり得意じゃないって言うキミ、理系はないです。多くの理系は、読めればいい、なるべく簡潔に速く書く記号ぐらいにしか字を思っていません。

字は人格とか人を表すとか言うのは、文系が社会で出世することが多い日本で、文系がマウントを取るために広めたフェイクだと思っています。逆に、私は言いたい。「こんな数字も分かれへんのは、字がきれいで人格は優れていても、頭は弱い人格なんですか?」

この字の汚さは、絵の下手さにも比例し、教育や指導で直るものではありません。もともと造形力が弱いからです。

では、なぜそういう差が起こるか・・・進路選択の指針

理系の仕事や学習は、細かい数字やデータの特徴に注目し、それを解法や一般論に広げていくことが多い。だから、自分の注目したデータばかりにとらわれて、全体像を見失い間違った結論を出すことも多いです。字やデッサンでも構図を考えずに細部から構築するので、最終的にバランスの欠いたものになる。これは、文系で字や絵が得意な人と真逆のアプローチの仕方です。だから、表面上字を矯正する習字なんかやっても、まるっきり上手くならないんです。

逆に、全体を見まわして都合よく簡単に解決できないか眺めるだけの文系では、式やデータの特徴がつかめずに、いつまでも数学やデータ分析ができないと言うことになります。だから、文系得意の「グランドデザイン」「目標」を決めて、中身の具体的方針はスッカラカンで部下が困り果てるというのが、文系管理職の典型です。「美しい国、日本」なんか典型的文系のグランドデザインです。

この「志向」はかなり根源的なもので、私は学習や教育指導では矯正は難しいと経験上思っています。親が理系の場合、子供も理系ということが多いです。これは遺伝子レベルで刻み付けられたものなのだと思います。ということは、理系か文系の進路選択に迷ったなら、親や親戚を見て、誰に似ているか考えて、その人の職業や進路を参考にすればいいということになります。

逆に、文系の父親が「理系で手に職がある方が、最近は有利だ」などという自分の鬱憤のために、子供に安易に理系を薦めるのは致命的な失敗になります。安易な情報や感情で子供の将来を潰すのは止めましょうね!

理系が国語を苦手な理由・・・データ分析の遅れの観点から

理系は細部にこだわり、そこで自分の考えを詰める。一方、文系はデッサンのように全体を鳥瞰することからアプローチが始まるというのが私の感想です。だから、「読書好きの文学少女は国語の成績が悪い・・・では解決策は?」にも書いたように、作者の立場に立って段落構成や文章構成を鳥瞰して文章を解析しないといけない国語の長文読解を理系は苦手とするのです。

今読んでいる目の前の文章の特徴から全体を見渡そうとして、全体の一部として構築してある作者の意図とは見当違いな方向に進むからです。いくら全体として構築していても、部分部分では齟齬がありますが、それを見渡せないで、その齟齬から全体を判断してしまうからです。そう誤解するところに、国語は出題されるんです。

データ分析という数学の手法そのものが研究結果の分析などに長らく使われてこなかったのも、「鳥瞰する」というデータ分析が感覚的に理系に合わなかったからだと思います。もちろん、都合の良い一部のデータに注目し、それを補強するような研究を邁進して実績を積み重ね、全体をゆがめた上で築き上げてきた業績が保てなくなるからというのもあるでしょうけれど。これ、研究経験のある方なら、まったく同意していただけると思います。

じゃあ、最強は?

もちろん、東大などに行く生徒は、その両方を兼ね備えています。全教科できなくてはいけないのですから。優秀だと思いますよ。本人たちも分かっているでしょう。しかし、そこで出世の階段の中でふんぞり返って18歳から進歩していないのが、今の官僚なんかですよね。だから、もっと最強がいます。

それは、細部に注目して自分のアイデアを生み出せる理系がビジネスなどで揉まれて文系的な鳥瞰をできるようになった場合です。ビル・ゲイツやなんかのシリコンバレーの起業家がその典型だと思います。日本でも本田宗一郎やソニーの盛田昭夫なんかはその典型でしょう。鳥瞰が得意な文系だけでは、組織を上手く動かせるだけのサラリーマン社長でしかないからです。だから、文系サラリーマン経営者だらけの日本は、まったく太刀打ちできないんだと思います。

それが危機で具体的な方針を立てられない日本の致命的欠点です。今回のコロナ騒ぎでも、その通りに日本は動いています。もし尖閣にでも中国が上陸したとなると、どうなるんでしょうね? 

ホームページはコチラ

芦屋で500人以上、個別指導20年のベテラン講師が、毎日・全教科、中学生と高校生を指導します。御影高校・神戸高校、関西学院・同志社・神戸大学・大阪大学を目指す特進個別塾です。

コメントは受け付けていません。